循環器用語ハンドブック
Sicilian Gambit
従来使用されていたVaughan Williams分類の問題点を改善すべく、1990年12月にイタリアのシシリー島タオルミナにてEuropean Society of Cardiologyのグループにより提案された、抗不整脈薬の選択の方法分類体系であり、すべての薬剤のチャネルや受容体への作用を詳細に表記している。薬剤の分類というよりも不整脈の発生機序を踏まえてより合理的に抗不整脈薬の選択を進めるためのものであり、使用方法のガイドラインに近い。表には左の列に薬剤名が記載されついでチャネル、受容体、ポンプに対する作用を示す欄が並び、右半分には左室機能、洞調律への影響、心外性の副作用の有無、さらにはPQ、QRS、QT(表中JT)などの心電図上の指標に対する効果を示す欄が設けてある。Na+チャネルに対する作用は、さらにチャネルへの結合解離動態により左からfast、intermediate、slowに分類されている。
Sicilian Gambitは薬剤の選択を、①不整脈の機序、②受攻性因子、③治療法の選択、④治療の標的、⑤使用しうる薬剤の決定、の5段階にて行うことを勧めている。問題点として、日本では一般的な薬剤でも海外では使用されていない薬剤は記載されておらず、これを解決すべく日本版のSicilian Gambitが日本心電学会抗不整脈薬ガイドライン作成委員会により作成されている(表)。


