ニフェカラント塩酸塩は、1999年に国内で初めてVaughan Williams分類のⅢ群に属する抗不整脈薬注射薬として発売されて以来、再発を繰り返す持続性VTや電気的除細動(DC)抵抗性VF、ICD植込み例のelectrical storm、多剤無効や心機能低下例など緊急治療を要する致死的心室性不整脈に対して用いられております。
本剤は心筋細胞膜のK+電流のうち主としてIKrを抑制することにより活動電位持続時間、および有効不応期を延長させることで作用を示します。この効果は心電図上のQT時間延長を指標としてみることができます。しかし、過量になるとQT時間延長に伴う多形性心室頻拍(Torsades de pointes)の出現が報告されています。そのため、使用にあたっては心電図による監視を行いQT時間の変化に注意が必要です。
この度、安全な使用に少しでも役立てて頂くため「安全使用実践マニュアル」を作成いたしました。このマニュアルがニフェカラント塩酸塩の安全かつ有効な使用に少しでも役立つよう願います。
東京慈恵会医科大学 臨床薬理学講座 教授 志賀 剛 先生
シンビット静注用50mgの効能・効果、用法・用量、警告・禁忌を含む使用上の注意等詳細は添付文書等DIをご参照ください。