投与時の注意点

  • ● 長期間の静注継続により、血管内に結晶形成が生じることが報告されています。1)2)3)4)
  • ● 中心静脈からの持続点滴で、ペースメーカやICDを有する場合はその静脈内に付着する血栓(腫瘤)を形成することが報告されています。3)

■ 血管合併症の予防

  • ① 溶解は1mg/mL以下の濃度とし、生理食塩液または5%ブドウ糖注射液を溶解液に用いる。
  • ② 同一ルートからのアルカリ性の薬剤注入は避ける
  • ③ 末梢ラインから点滴する場合は数日おきに穿刺部位を変える。
  • ④ 長期間の使用はできるだけ避けるべきだが、やむをえない場合は中心静脈から投与し、血栓予防目的にヘパリン*を併用する。
  • ⑤ 中心静脈経由であってもペースメーカやICD植込み患者へ投与する場合は特にラインへの感染などに十分に注意する。1)4)
  • * 本剤と配合する場合は、配合変化を生じることがあるので、混注する場合は注意すること。
  • 1)栗田隆志, 他: 心電図, 24(Suppl. 3), 67(2004)
  • 2)佐藤勘治, 他: 皮膚病診療, 24(4), 413(2002)
  • 3)Okamura H, et al:. Heart, 90(10), 1106(2004)
  • 4)上野和行, 他: 医療薬学, 29(3), 351(2003)

栗田隆志, 他: 心電図, 29(1), 10(2009)

シンビット静注用50mgの適用上の注意(抜粋)

  • 14.適用上の注意
  • 14.2 薬剤投与時の注意
  • 14.2.1 静脈内投与により静脈炎、注射部反応(疼痛、炎症、発赤腫脹、硬結等)、注射部膿瘍、皮膚潰瘍形成、皮下組織膿瘍があらわれることがあるので、十分注意すること。これらの症状があらわれた場合には投与部位の変更、投与濃度の調節等適切な処置を行うこと。なお、血管外漏出によると考えられる症例も報告されているので、投与時には十分注意すること。

■ 配合変化が確認されている主な薬剤

以下の薬剤は、シンビット溶液との混合によって、直後から3時間後までの間に配合変化が認められていますので、特に、維持静注の際に同一ラインから投与することは避けてください。

利尿剤** ● ソルダクトン静注用100mg ● ラシックス注100mg
強心剤 ● イノバン注100mg 
● ドパミン塩酸塩点滴静注液600mgバッグ「NIG」
不整脈用剤 ● 静注用キシロカイン2% ● アデホス-Lコーワ注40mg 
● タンボコール静注50mg
血液代用剤 ● ヴィーンF輸液 ● メイロン静注7%・8.4%
全身麻酔剤 ● ラボナール注射用0.3g
催眠鎮静剤 ● セルシン注射液10mg
その他の薬剤 ● プロテアミン12注射液 ● ニコリン注射液250mg・500mg 
● ヘパリンNa注5千単位/5mL「モチダ」・1万単位/10mL「モチダ」

※2024年2月時点の製品名です。

社内資料:シンビット®静注用50mg配合変化に関する資料

** シンビット静注用50mgと利尿剤は併用注意です。
(本剤の作用が増強する可能性があります。)

シンビット静注用50mgの重要な基本的注意(抜粋)

  • 8.重要な基本的注意
  • 8.3 本剤の投与終了後は少なくとも1時間の心電図等の連続監視にて経過観察を十分に行うこと。

    8.5 他の抗不整脈薬と併用する場合には、有効性、安全性が確立していないので十分な観察を行いながら投与すること。[10.2参照]

「効能又は効果」、「用法及び用量」、「警告・禁忌を含む注意事項等情報」等の詳細は電子添文等DIをご参照ください。