負荷心筋シンチグラフィでは主として運動負荷および薬剤負荷法が用いられる。運動負荷を行うときはトレッドミルもしくはエルゴメータを用い、胸痛の出現、心電図のST変化などに注意して201Tl(111MBq)を投与、15~20分後(初期分布像)および3~4時間後(後期分布像)に撮像する。この際、最大運動時に201Tlを投与した後も約1分間は運動を継続し、また約20mLの生理食塩水を用いてフラッシュを行い、初期分布が負荷心筋血流量の局所における差異を明確に表すようにする。後期像では再分布の判定を行う。99mTc標識心筋血流製剤も使用可能であるが、この場合は運動負荷時と安静時の別々に投与が必要である。
一方、下肢閉塞性動脈硬化症や大動脈瘤症例では、運動負荷を十分に行うことができないため、ジピリダモールやアデノシンなどの薬剤負荷法が用いられる。特にわが国で汎用されているジピリダモール負荷法について述べる。通常、安静仰臥位にて血圧および心電図の監視下に検査を施行する。ジピリダモール0.142mg/kg/minを約4分かけて静脈内投与を行う。ジピリダモール投与3~4分後に201Tl(111MBq)を静注する。ジピリダモールによる副作用出現例では、アミノフィリンを静注することで対処が可能である。撮像は運動負荷法のそれに準じ、負荷直後(初期分布像)および3~4時間後(後期分布像)に行う。このほかに、冠攣縮性狭心症に対して過換気負荷、冷水寒冷負荷などが用いられることがある(表)。