TNF-αはマウスに移植した腫瘍に出血性壊死を起こさせる因子として1975年に発見されたが、現在では炎症や免疫、また細胞の生死に関わる因子として注目を集めている(表)。
TNF-αには26kDaの膜結合型と16kDaの可溶型があり、可溶型はTNF-α変換酵素(TNF-α converting enzyme;TACE)によって膜結合型から遊離したものである。TNF-αは3量体としてレセプターに結合し、レセプターの3量体形成を進めることでその下流のシグナル伝達を行い、nuclear factor-κB(NF-κB)の活性化を介して、免疫および炎症反応に関わるさまざまな遺伝子の発現を促す。
TNF-αは主として活性化マクロファージやリンパ球から産生されるが、内皮細胞などからも産生が認められている。
TNF-αノックアウトマウスにおいては、胸腺依存抗原であるヒツジ赤血球に対するIgG1、IgG2bの抗体産生、マクロファージの貪食能やNOの産生低下が認められるものの、胸腺非依存性抗原に対するB細胞の抗体産生や、T細胞、好中球の機能には異常は認められず、リンパ節やパイエル板の欠損や形成不全が認められる。
TNF-αは炎症による組織の損傷に関わるだけでなく、その後の炎症反応の調節や傷害からの回復にも関与しており、さまざまな感染症の病態のほか、膠原病やアレルギー疾患、また糖尿病や動脈硬化などの代謝性の疾患にも重要な働きをしていると考えられている。