Ca-ATPase/ホスホランバン〈phospholamban〉

Ca-ATPaseには、形質膜Ca2+-ATPase(plasma membrane Ca2+-ATPase;PMCA)と小胞体Ca2+-ATPase〔sarco(endo)plasmic reticulum Ca2+-ATPase;SERCA〕(図1)が存在する。それぞれ単一ポリペプチドからなる膜蛋白質で、高親和性Ca2+輸送部位をもち、ATPの加水分解に共役してCa2+を細胞質から細胞外あるいは細胞内Ca2+ストアである小胞体に汲み上げるCa2+ポンプとして作用する。骨格筋や心筋ではSERCAは主要な小胞体膜構成蛋白質で、迅速な筋弛緩を可能にしている。

SERCAの構造

PMCAはカルモデュリン、酸性リン脂質、各種プロテインキナーゼで制御され、SERCAは心筋でホスホランバンによる制御を受ける。PMCA(分子量127~145kDa)は相同性の高い4種類の異なる遺伝子にコードされ、さらに選択的スプライシングにより少なくとも26種類のアイソフォームが存在する。PMCA1と4はほとんどの細胞で発現しておりhouse keeping isoformと考えられている。PMCA2と3は脳、骨格筋、心筋などで発現する。一方、SERCA(分子量105~115kDa)は相同性の高い3種類の異なる遺伝子にコードされている。SERCA1a(成体型)と1b(新生児型)は骨格筋の速筋で発現している。SERCA2aは骨格筋の遅筋と心筋の主要なアイソフォームで、平滑筋でも発現している。SERCA2bのmRNAはほとんどの細胞で確認されており、平滑筋や非筋細胞では主要なアイソフォームである。SERCA3も非筋細胞で発現している。

ホスホランバンは心筋小胞体膜から単離された52個のアミノ酸よりなるリン酸化蛋白質である(図2)。心筋以外にも平滑筋、骨格筋(遅筋)に存在し、筋小胞体膜上に5量体として局在している。In vitroではプロテインキナーゼC(PKC)によりSer10が、サイクリックAMP(cAMP)およびサイクリックGMP(cGMP)依存性キナーゼによりSer16が、そしてCa/カルモデュリン(CaM)依存性キナーゼによりThr17がそれぞれリン酸化される。リン酸化されていないホスホランバンはSERCAの抑制因子として機能し、リン酸化されることによってその抑制作用が解除される。

ホスホランバンの構造

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