ジストロフィン〈dystrophin〉

骨格筋や心筋の細胞膜を内部より裏打ちするように分布する細胞骨格蛋白質。Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)では特異的に欠損しており、Becker型(BMD)では量的減少や分子量の異常が認められる。遺伝子はX染色体短腕21領域(Xp21)に存在し、全長3,000kbp、エクソン数79、mRNAは14kbから構成され、ヒト最大の遺伝子といわれる。

プロモーターはジストロフィン遺伝子の5'端とイントロン領域に多数発見されており、産生されるジストロフィンの発現が著明な組織から筋型、脳型、プルキンエ型(小脳)、リンパ球型、クモ膜型、網膜型、シュワン細胞型などに分類されている。筋型はアミノ酸数3,685、分子量427kDaの蛋白質分子で、細長い構造をもち、N末端側でアクチン系に、C末端側でジストロフィン結合蛋白質と直接間接に結合している。

ジストロフィン結合蛋白質は、膜貫通性で糖蛋白のジストログリカン複合体(基底膜ラミニンと結合)、サルコグリカン複合体、非膜貫通蛋白質のシントロフィン複合体からなる(図)。類似の蛋白質にユートロフィン(utrophin、第6染色体長腕24領域)がある。筋ジストロフィーのモデル動物として利用されているmdxマウスの場合は、C2185Tの点変異による終止コドンに由来している。心筋にも筋型ジストロフィンが発現しており、DMDやBMDの経過中に心障害を合併したり、心筋障害で初発する症例も存在する。拡張型心筋症を呈するX-linked cardiomyopathyは筋型ジストロフィンの異常によることが知られている。

ジストロフィンと関連蛋白質

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