スーパーオキシドジスムターゼ〈superoxide dismutase;SOD〉

哺乳動物は、細胞質に存在するCu、Zn-SOD、ミトコンドリアマトリックス部分に存在するMn-SOD、細胞外に局在するextracellular SOD(EC-SOD)の3種のSODアイソザイムをもっている。いずれも2個のスーパーオキシド(O2・)を過酸化水素と酸素に不均化する。Cu、Zn-SODの遺伝子SOD1は第21染色体のq22に存在し、constitutiveに発現する。最近、家族性筋萎縮性側索硬化症の原因遺伝子の1つとして同定された。しかし、この変異がなぜ運動ニューロンを特異的に傷害するかは不明である。

生体で利用される分子状酸素の95%以上はミトコンドリアで消費されるため、ミトコンドリアは活性酸素種の生成の多いオルガネラである。Mn-SODは、そのミトコンドリア内で生成したO2・の消去を行っている。本酵素はサブユニットあたりの分子量が21,000のホモテトラマー構造をとる。5'上流には、プロトオンコジーンのc-junやc-fosの遺伝子産物である転写因子AP-1の結合に必須なコンセンサス配列が認められ、ヒトではこれがTNF-α(tumor necrosis factor-α)、IL-1、IL-6、リポポリサッカライド(lipopolysaccharide;LPS)、そしてホルボールエステル(TPA)などの刺激による発現誘導に関与している可能性が示唆されている。このように、さまざまな酸化ストレスの際に誘導され、細胞内のレドックスの制御をしていると考えられる。たとえば、炎症時に活性化された白血球によるTNF-α、IL-1、IL-6などのサイトカインの産生が起こる。すると、標的細胞のミトコンドリアでは、活性酸素種産生が亢進し細胞が障害される。しかし、Mn-SODが誘導される細胞では、ある程度これらのサイトカイン刺激に対して耐性となる。さらにMn-SODを高発現させることにより、放射線障害やある種の抗癌剤に対する細胞の耐性度が増すことも知られている。また心筋をはじめ、臓器の虚血再灌流障害に活性酸素種の生成が関与していることが知られており、Mn-SODの誘導が虚血再灌流障害を軽減する。EC-SODは、他のアイソザイムと比較して役割分担がまだ明確になっていない。

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