ストレス蛋白質〈stress protein〉

ストレス蛋白質は、主にストレスがかかったときに合成され、修復に関与する蛋白質のグループをいう。ストレスには熱ショックをはじめ、低酸素、重金属、砒素などへの曝露のほかに、さまざまな物理的ストレス、たとえば発熱、虚血、活性酸素曝露、組織損傷やウイルス感染などの生体内ストレスも含まれ、これらが細胞にストレス応答を引き起こす。高温による誘導が最もよく研究されてきたので、ストレス蛋白質の代表的なものは熱ショック蛋白質(heat shock protein;HSP)と呼ばれる。

細胞内の可溶性蛋白質は、通常、疎水性アミノ酸を分子内部に折り畳み(folding)、親水性アミノ酸を分子表面に露出したかたちで安定な可溶性構造を保っている。熱などによってこのような構造に「乱れ」が生じると、内部に折り畳まれていた疎水性アミノ酸が分子表面に露出し、疎水結合による分子結合が生じて、蛋白質同士の凝集体をつくりやすくなる。HSP70やHSP40などは、このような変成中間体に結合して、それらの凝集を抑えると考えられる。また、GroEとよばれる14量体からなる樽型の分子シャペロン存在下にアデノシン三リン酸(ATP)を利用することで、変性蛋白質の再生を促進する。

ストレス蛋白質の多くはストレスのかかっていない状態でも細胞内でつくられており、蛋白質の相互作用を通じて、細胞の正常な代謝や生存に必須の役割を担っていることが明らかになってきた。合成されたポリペプチドのfoldingや会合の調節、つくられた蛋白質の細胞内輸送や品質管理、転写因子の調節やシグナル受容体活性調節、さらには分解に至るまで、きわめて広範な細胞機能の調節に関わっている(表)。

哺乳動物細胞のストレス蛋白質の種類と機能

ストレス蛋白質はさまざまな臓器でストレスに対する細胞耐性との関連が報告されており、循環器領域においても虚血心筋保護にストレス蛋白質の誘導が関与しているとの報告が数多くみられる。

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