心拍出量〈cardiac output;CO〉/心係数〈cardiac index;CI〉

心臓のポンプ機能を表す指標であり、一般に左心室から体循環に対して1分間に拍出される血液量を心拍出量(単位:L/min)といい、1回拍出量(stroke volume)×心拍数で求めることができる。体格の違いにより酸素摂取量が異なることを考慮して、心拍出量を体表面積で除した値を心係数とし(正常範囲は約2.6~4.2L/min/m2)、Forrester分類では心係数2.2L/min/m2未満を低灌流状態に陥りやすいことから低拍出量群として取り扱う。心係数は種々の病態において左室機能を把握するうえで有用ではあるが、前負荷や後負荷などの影響を受けるため左室機能を直接反映していない点に注意が必要である。

心拍出量を求める手法の1つである色素希釈法では、静脈系に色素を注入し動脈血中濃度のサンプリングを行い、Stewart-Hamiltonの式(下記)を用いて心拍出量を近似する。他に酸素飽和度を用いるFick法、Swan-Ganzカテーテルを用いて冷却注射液を注入するサーモダイリューション法や心プールシンチグラフィが用いられる。さらに超高速CTやMRI画像から直接計測する方法のほか、左室造影・超音波断層像などの画像やバイオインピーダンスから心拍出量を近似推定する方法なども利用可能である。

スチュワート・ハミルトンの式