心筋小胞体〈sarcoplasmic reticulum;SR〉/Ca2+ポンプ〈Ca2+ pump〉/Ca2+遊離(放出)チャネル〈Ca2+ release channel〉

心筋小胞体は、形質膜からは独立した閉鎖した膜系で、機能的に2つの部分、すなわち筋原線維を取り巻く網状の縦走槽と、筋鞘あるいは横細管(T管)の近傍に位置し膨大部である終末槽に分けられる。縦走槽には心筋小胞体内へCa2+を取り込むためのCa2+ポンプがあり、このCa2+ポンプは筋収縮時に上昇した細胞内Ca2+濃度を下げ、筋弛緩を引き起こす働きをもつ。心筋には、同じ筋組織でも骨格筋と異なり、Ca2+ポンプのポンプ活性をβ交感刺激により調節する膜蛋白質ホスホランバンが豊富に存在する、などの特徴がある。また、心筋細胞の形質膜がZ帯の位置で多数の細管状の陥凹を形成した部分を横細管(T管)と呼ぶが、心筋小胞体の終末槽はこのT管と連結する。心筋小胞体の終末槽は興奮・収縮連関の起点としての役割があり、筋鞘からの興奮刺激を心筋小胞体内からのCa2+遊離というかたちに変換する。終末槽には心筋小胞体内のCa2+を遊離するためのCa2+遊離チャネル(リアノジン受容体)が存在し、この膜蛋白質を介して心筋小胞体内のCa2+が細胞内へ遊離される。

(参考:心筋の興奮・収縮連関