INTERMACS/J-MACS分類

INTERMACS分類およびJ-MACS分類は、重症心不全症例における植込み型補助人工心臓(VAD)の適応を検討するための重症度分類である(表)。NYHA心機能分類Ⅲ~Ⅳの心不全症例を7段階に細分化している。

INTERMACS/J-MACS Profiles

基本的には、ガイドラインで推奨される標準治療を十分施行しているにもかかわらず、静注強心薬依存状態となっているProfile 2と3の症例が、植込み型VADの適応とされている。Profile 2 の植込み型VAD術後の予後はProfile 3と比較して不良であることが報告されており(Ann Thorac Surg 107;341-353, 2019)、Profile 3の症例がProfile 2へと移行することを見逃すことなく、可能な限りProfile 3の状態での植込み手術を考慮することが重要である。

Profile 1の症例は心臓以外の臓器障害を合併することが多く、植込み型VAD術後の予後が不良であることから、まずは大動脈内バルーンパンピング(IABP)や経皮的心肺補助装置(PCPS)、補助循環用ポンプカテーテル(IMPELLA)、体外設置型VADなどを装着して血行動態を安定化させた後に、植込み型VADの適応について再検討する。

Profile 4の症例は、薬物治療抵抗性の致死性心室性不整脈により植込み型除細動器(ICD)の適正作動を頻回に繰り返す場合に、植込み型VADの適応と考えて良いとされている。