心筋生検〈endomyocardial biopsy〉

心内膜側心筋の一部を心筋鉗子(bioptome)を用いて採取し、組織学的に心筋疾患の有無を検索する検査法である。右室心内膜(心室中隔)を採取する方法と左室心内膜(左室後壁)(図)を採取する方法がある。心筋疾患の存在を疑う場合が適応であり、心筋生検により診断しうる疾患として、移植心の拒絶反応、心筋炎、抗癌剤による心筋毒性、心アミロイドーシス、心サルコイドーシス、心ヘモクロマトーシス、心内膜線維症、心Fabry病、カルチノイド、放射線障害、グリコーゲン病、心原性心腫瘍、非心原性心腫瘍、Kearns-Sayre症候群、サイトメガロウイルス感染症、トキソプラズマ症、Schönlein-Henoch紫斑病、リウマチ性心内膜炎、Chagas心筋症(Mason、1985)などが挙げられる。また、拡張型心筋症では心筋細胞の肥大・変性・間質線維増生などの非特異的変化が認められ、肥大型心筋症では心筋線維の錯綜配列や電子顕微鏡レベルでも筋原線維の錯綜配列が特徴的であるが、このような心筋症の診断においては、心筋生検による特定心筋疾患(二次性心筋疾患)の鑑別が重要である。ただし、bioptomeから採取される心筋はごく一部であることから、採取された心筋に組織学的病変がみつからないとしても、他の部位に異常がないとはいえないということに留意しておく必要がある。生検時の事故としては心室(心房)壁への穿孔が挙げられ、慎重なカテーテル操作が重要である。

心筋生検(左室心内膜心筋生検)