Brockenbrough(ブロッケンブロウ)法〈経中隔左心房穿刺法/経静脈的心房中隔穿刺法、Brockenbrough method〉

右心カテーテルにより右房に達し、卵円窩を尖刺することにより左心系に達し、左心機能の評価を試みる方法。1959年、RossとCopeによって初めて行われた。今日逆行性左心カテーテルの発達により、成人ではほとんど行われなくなった。

この検査の適応は左心房圧を直接測定することが必要な疾患(肺静脈疾患)、カテーテル先端の壁内補足と真の特発性肥大型大動脈弁下狭窄症(IHSS)を区別する必要がある場合、逆行性左心カテーテルが成功しなかった場合(重症末梢動脈疾患、大動脈弁狭窄症など)、ある種の機械弁(Bjork-Shiley弁、St. Jude弁など)があり危険を伴う場合などである。大艜静脈よりBrockenbroughカテーテルあるいはMullinsシースを卵円窩まで進め、カテーテルの先端が卵円孔にひっかかる、わずかな抵抗を手元に感じながら操作しなければならない。さらに穿孔しないように柔らかい内套針を先端から出した状態のBrockenbrough針を、カテーテルあるいはシースの中に進め、内套針を引いて尖刺する(図)。合併症は熟練した術者の場合、針先穿孔3%以下、タンポナーデ1%以下、死亡0.5%以下である。穿孔の起こる部位として大動脈起始部、冠静脈洞、右心房後自由壁がある。操作の各段階で、多方向からの透視、圧、酸素飽和度、カテーテルからの感触に十分注意すべきである。

経中隔左心房穿刺のための局所解剖