PET(ポジトロン断層法)とは、陽電子(ポジトロン)放出核種で標識された化合物を体内に投与して、その分布を断層画像表示する方法である。ポジトロン核種は対向するγ線を放出し、それらを全周性に設置されたシンチレータにてカウントするため、PETは優れた空間分解能、時間分解能を有する。ポジトロン放出核種は11C、13N、15O、18Fなどの体内に一般に存在する元素であるため、生理的、生化学的イメージングが可能である。しかし、半減期が短いためサイクロトロンが必要であり一般的には普及していない。現在、循環器領域では主に18F-FDGによる心筋糖代謝の評価と、13N-NH3または15O-H2Oによる心筋血流量の評価が行われている。18F-FDGは、心筋梗塞における残存虚血心筋(心筋viability)診断のゴールドスタンダードとして有用視されている(表)。虚血障害心筋はそのエネルギー源として脂肪酸を使用することができず、糖代謝に移行するためブドウ糖の摂取が亢進する。これを利用することによって残存心筋をより感度よく検出することが可能である。また、13N-NH3や15O-H2Oではコンパートメントモデル解析により心筋の絶対血流量を算出することが可能であり、それをもとに冠血流予備能(coronary flow reserve)を求めることができる。