心室中隔の奇異性[壁]運動〈paradoxical motion〉

Mモード心エコー図にて、心室中隔が収縮期に正常とは逆方向の前方運動(右心室側に向かう動き)を示すことを指す。心房中隔欠損症や中等度以上の三尖弁逆流症のような右室容量負荷時、心臓手術後などに認める。心臓手術後の奇異性運動の機序に関して学説の一致は得られていないが、正中切開で心臓手術を行った後、数年間心室中隔は収縮期に左室方向ではなく右室方向に動くことが知られ、術後中隔とも呼ばれている。長期に持続することもあれば、数ヵ月で一部正常化することもある。虚血性の壁運動異常との鑑別点は、収縮期の壁厚増加(systolic wall thickening)がみられることである。