Jak-STAT系〈Janus kinase-signal transducer and activator of transcription〉

インターフェロン(IFN)の遺伝子発現の研究より、転写因子が細胞質内でチロシンリン酸化を受けて核に移行し転写を活性化するシグナル経路の存在が明らかになり、その分子としてクローニングされたのが、STATである。その後IFNの反応性に欠く変異細胞の解析より、STAT蛋白質をリン酸化するチロシンキナーゼであるJakの存在が明らかとなった。Jak-STAT経路はIFNのみならず多くのサイトカイン、ホルモン、増殖因子によるシグナル伝達系でも利用されている。

STATファミリーは現在7種類(STAT1、2、3、4、5a、5b、6)がクローニングされている。さらにスプライシングの違いによりいくつかのサブグループが存在する。Jakは125~135kDaの分子量からなり、典型的なチロシンキナーゼドメインの他にもう1つのチロシンキナーゼドメインを有する。現在Jak1、Jak2、Jak3、Tyk2の4つが知られている。Jak1、Jak2、Tyk2は広範囲な組織に分布するが、Jak3は造血系にのみ発現がみられる。

サイトカイン受容体の細胞質内の細胞膜に近い部分にJakが結合しており、リガンドが結合するとJakがお互いに近接し、リン酸化され、活性化される。その際受容体のリン酸化も起こる。その後STATはリン酸化チロシンにSH2を介して結合し、Jakによりチロシンリン酸化を受ける。リン酸化を受けたSTATはSH2ドメインを介してホモまたはヘテロ2量体を形成し、細胞質から核内に移行して転写を制御する。

心筋細胞のJak-STAT系はカルディオトロフィン-1やleukemia inhibitory factor(LIF)をリガンドとし、受容体はGP130と呼ばれる膜貫通型の情報伝達分子とLIF受容体の2量体より形成されている。受容体にリガンドが結合するとJak1、Jak2、Tyk2が活性化されgp130に特異的であるSTAT3が活性化され、核内に移行して転写心筋肥大に関する遺伝子を制御する。

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