Buerger(バージャー)病〈Buerger's disease〉

Buerger病は喫煙習慣のある若い男性に好発する、主として四肢の中・小動・静脈が炎症性病変に侵され、血栓にて閉塞する慢性動脈閉塞性疾患である。本疾患の特徴は、血管炎による慢性血栓症と動脈閉塞による末梢循環障害であるが、原因は不明である。また、病理学的には3期に分類される。第1期(血栓形成期)には、器質化血栓を有する血管壁では内皮の剥離、内膜の破壊、出血および血流成分の内膜への浸潤を伴って、さらに新しく血栓を形成する。第2期(肉芽期)では、血栓ができると変性血小板やフィブリン分解産物(fibrin degradation product;FDP)などに対して異常な免疫反応が起こり、類上皮細胞およびラ氏型巨細胞が好中球浸潤病巣を取り囲むようにして肉芽を形成する。この肉芽期を経過すると第3期(瘢痕期)となり、類上皮細胞およびラ氏型巨細胞は消失し、内膜の線維性肥厚、好中球の浸潤をみる。ただし、この時期でも内弾性板は破壊されず中膜壊死はみられない。臨床例ではこうした病変が複雑に絡み合って存在し、本疾患が単純な経過をたどるのではないことを示唆している。

症状は阻血症状と炎症症状、およびその他に分かれる。阻血症状は閉塞性動脈硬化症と同様であり、炎症症状としては遊走性血栓静脈炎であり、約40%発現する。好発部位は四肢表在静脈で、腸骨、大艜、腋窩静脈に発現することはない。この静脈炎は四肢、特に同一肢の表在静脈各所に再発を繰り返すところから遊走性と呼ばれる。この静脈炎を認めるときは、本疾患の活動期と考える。

本疾患の治療はまず禁煙と薬物治療である。安静時疼痛は閉塞性動脈硬化症において下肢または下艜の重症虚血を意味するのとは異なり、手指や足趾に限局した虚血の場合がほとんどであるため、禁煙、全身の保温、正座、長時間起立の禁止、女性ではハイヒールを禁止するといった保存的治療や、閉塞性動脈硬化症で用いる抗血小板薬、血管拡張薬、抗凝固薬投与で改善しない例に対してのみ外科的治療の対象となる。

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