心内膜床欠損[症]〈endocardial cushion defect;ECD〉

原始房室間口付近に形成される未分化間葉系結合組織は心内膜床と呼ばれる。心内膜床は心臓の形成に際して心房一次中隔、僧帽弁前尖、三尖弁中隔尖、心室中隔膜様部の形成に関与する。これら部分の発育障害として生じた心奇形を心内膜床欠損症と総称する。一次孔心房中隔欠損症と心室中隔欠損症を認め共通前尖と共通後尖を有する完全型と、一次孔心房中隔欠損症と房室弁の変形を有する不完全型に大別される(図)。発生頻度は先天性心疾患の3%で、完全型の半数以上はDown症候群に合併する。心内膜床欠損症を合併しやすい疾患には無脾症候群、多脾症候群、Ellis-van Creveld症候群がある。

心内膜床欠損症

心エコーでは房室弁直上の心房中隔に一次孔心房中隔欠損孔を認める。三尖弁と僧帽弁は同じ高さに位置し、心室中隔は短く左右房室間溝を結ぶ線より低い位置にある(scooping)。僧帽弁前尖には亀裂を認め僧帽弁閉鎖不全を認める。心室中隔欠損孔も認めれば完全型である。完全型では共通弁を認めるが、共通前尖の形態により、A型、B型、C型に分類される。診断には心臓超音波断層法が有用であるが、左室造影で左室流出路の狭小化を示すgoose neck signや、心電図上左軸偏位が特徴的である。一次孔心房中隔欠損孔は二次孔心房中隔欠損孔より大きく、左右短絡が多く、肺血流量は体血流量の数倍に達する。完全型では一次孔心房中隔欠損孔と心室中隔欠損孔が存在し、種々の三尖弁不全や僧帽弁閉鎖不全を認め、乳幼児期にうっ血性心不全や高度の肺高血圧がみられる。肺高血圧症をきたし手術不能な例以外は、心内修復術を施行する。

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