心室中隔欠損[症]〈ventricular septal defect;VSD〉

先天性心疾患の中で最も発生頻度が高く、先天性心疾患で約30~50%、1,000出生児のうち1.5~2.0人である。左室と右室を境する中隔に欠損孔が存在する。Kirklinの分類では、Ⅰ型:肺動脈弁下室上稜上欠損、Ⅱ型:膜性部欠損、Ⅲ型:心内膜床欠損、Ⅳ型:筋性中隔欠損に分類される(図)。心室中隔欠損症ではⅡ型が最も多い。日本人ではⅠ型が多くみられる。欠損孔が小さければ心室中隔を介する左右短絡は少なく、右室圧は正常で肺血管抵抗の上昇も認められないが、欠損孔が大きな場合には心室中隔を介する左右短絡が増加し左心容量負荷のため左房左室の拡大、さらに左室肥大をきたし、肺血流も増大し肺高血圧をきたす。同時に右心負荷も増大し右室圧上昇、右室肥大をきたす。さらに肺血管抵抗が上昇すると右左短絡が生じ、チアノーゼを呈する(Eisenmenger症候群)。

心室中隔欠損症の分類(Kirklinによる)

聴診上胸骨左縁第3~4肋間に最強点を有する粗いLevineⅣ~Ⅴ度の全収縮期雑音を聴取し、しばしばthrillを触知する。心エコーは欠損孔の部位、大きさ、周囲構造物との位置関係の評価に有用である。心臓カテーテル検査では、右室酸素濃度の上昇や圧測定により左右短絡量、右左短絡量、肺体血流比、肺血管抵抗を測定し、手術適応を決定する。小さな欠損孔では発育は正常で無症状であり、20%前後で自然閉鎖する。抜歯など菌血症を起こしやすい処置の際には、感染性心内膜炎予防に抗生物質の内服を行う。中等度以上の欠損孔では、心不全や肺高血圧症があればEisenmenger化しないうちに欠損孔閉鎖術をする。5~6歳で肺体血流比が1.5~2.0以上なら欠損孔閉鎖術を行う。また大動脈弁が欠損孔に落ち込み大動脈閉鎖不全症を生じたり、バルサルバ洞動脈瘤を合併することがあり、これらの合併症があれば短絡量や逆流が軽度でも手術を行う。

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