Brugada症候群〈Brugada syndrome〉

Brugada症候群は、1992年にBrugadaらが心電図で右脚ブロック波形とV1-V3誘導でST上昇を示し、心室細動で突然死する疾患として報告した。一般に器質的心疾患を認めないが、NaチャネルのαサブユニットをコードするSCN5A遺伝子の変異を認めることがある。近年、ST上昇を主要所見とし、右脚ブロックは必須でないと考えられている。また通常の心電図でV1-V3誘導のST上昇を認めなくても、薬剤(Naチャネル遮断薬など)負荷後にST上昇を示す例もBrugada症候群とされる。ST上昇はcoved型(Type 1)またはsaddle back型(Type 2,3)上昇を示す(図)。失神やVFなどを伴う有症候群と、それらのない無症候群がある。

Brugada症候群にみられるST上昇

欧米の研究は主にcoved型ST上昇群を対象とし、無症候群を有症候群の家系から抽出したものが多く、対象に偏りがみられる。わが国では、循環器病委託研究(2004)による診療の指針が参考になると思われる(日内会誌 95(2):321、2006)。この報告では男性が多く、突然死の家族歴を有するのは16%ほどであった。有症候群では冠攣縮誘発例に有意に心事故が多く、男性、突然死の家族歴、Type 1、電気生理学検査(EPS)での心室細動誘発、加算平均心電図などは有意な心事故予測因子ではなかった。無症候群では突然死の家族歴が有意な心事故予測因子で、男性やEPSでの心室細動誘発などは有意な心事故予測因子ではなかった。

ST自然上昇を有する有症候群のうち、明らかな心室細動の既往がある例や、EPSで心室細動が誘発される失神例は植込み型除細動器(ICD)の適応と考えられ、またST自然上昇を有する無症候群のうち、Type 1で、突然死の家族歴がある例もICDの適応を考慮する。薬物療法として、心室細動に対しキニジンやシロスタゾールなどが有効との報告もあるが、確立したものはない。

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