慢性収縮性心膜炎〈chronic constrictive pericarditis〉

収縮性心膜炎は心膜の線維性肥厚、心外膜との癒着による心臓の拡張障害を示す病態である。通常は急性心膜炎に引き続いて発症するが、急性心膜炎の既往は不明なことが多い。病因は約50%が特発性で、その他は結核など感染症、放射線治療、心筋梗塞後、開心術後などである。心室の拡張障害のための右心不全徴候が主体で、頸静脈怒張、浮腫、腹水貯留、肝うっ血などを認める。拡張早期過剰心音(pericardial knock sound)を聴収し、心尖拍動は微弱になる。胸部X線では心膜石灰化を約半数で認めるが、側面像のみに認めることもある。心電図所見では、T波の平坦化・陰転化などの非特異的変化が多く、他に心房細動、左房負荷、右室肥大などを認める。心エコー所見では心膜肥厚・輝度上昇、心室腔狭小化・心房腔拡大、左室後壁拡張障害、心室中隔拡張早期前方運動などを認める。CT検査では心膜の石灰化を明瞭に描出し、上大静脈・下大静脈の拡大を認める。心臓カテーテル検査では、両心室圧でdip and plateauを認め、各心室心房の拡張期圧はほぼ等しくなる。

本症は進行性の疾患であり、右心不全、低心拍出により重症心不全をきたす。少数例では利尿薬などの使用により重症化せずに経過することがあるが、原則的には手術による心膜切除が必要である。病状が進行するほど手術は困難になり術後の経過も不良になるので、早期に心膜切除術を行う。

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