急性心膜炎〈acute pericarditis〉

急性心膜炎は心膜の炎症による症候群で、心嚢液貯留、胸痛、心膜摩擦音、心電図異常を特徴とする。心膜炎の原因としては、特発性、ウイルス感染、急性心筋梗塞、尿毒症、放射線、薬剤性、細菌感染、開心術後、結核、悪性新生物、外傷などがある。軽症のまま数日で治癒するものから重篤な心タンポナーデをきたすもの、あるいは炎症が遷延し慢性収縮性心膜炎に移行するものもある。

胸痛の性質は、鋭い痛みから鈍痛、圧迫感までさまざまである。胸痛の部位は、胸骨後方から左前胸部に限局し、頸部や上背部に放散することが多い。仰臥位や咳、深呼吸、嚥下によって増強し、座位や前傾姿勢で軽減することが多い。また呼吸困難もよく認められる。

心電図変化は胸痛の出現から数時間あるいは数日で出現し、STとT波の異常で診断される。初期にはSTの上昇がみられ、経時的にSTが基線に回復し、PQ部分の低下、T波の平坦化がみられる。さらに時間が経つとT波が陰転化し、PQ部分が基線に戻る。その後、最終的に正常心電図に戻る。心エコーでは心嚢液貯留を認め、心筋炎を合併した場合は壁運動低下がみられる。

心タンポナーデをきたした場合は心嚢穿刺での排液が必要となる。繰り返し貯留することがあり監視が必要である。胸痛が強ければ消炎鎮痛薬を使用する。通常1~3週間で自然治癒するが、心筋炎・心不全の合併があれば心不全の治療を行う。

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