心筋虚血が出現しているにもかかわらず、狭心症や狭心症と等価の症状を認められないものを無症候性心筋虚血という。近年、トレッドミル運動負荷心電図、Holter心電図、心筋シンチグラフィなどにより心筋虚血の診断精度が向上し、これに伴い本症の臨床意義の重要性がクローズアップされてきている。本症が生じる原因として、心筋虚血の重症度が低い可能性、知覚神経の異常がある可能性が考えられる。本症は心筋虚血発作の20~80%を占め、突然死を含むすべての虚血性心疾患に関与している。
無症候性心筋虚血の分類として、Cohn分類(表)が広く用いられている。
CohnⅠ群の中で、心事故の発生率は心電図、心筋シンチグラフィの両検査が陰性であった群では7%、いずれかが陽性であった群では8%、ともに陽性であった群では48%であった。無症候性心筋虚血であっても、積極的な治療が必要である。