心破裂〈cardiac rupture〉

心破裂の85%が自由壁に、10%が中隔に、5%が乳頭筋に生じる。高齢者、梗塞後安静不良、梗塞後高血圧、1枝病変、初回梗塞、貫壁性梗塞などが関与すると考えられる。全発症率を評価するのは困難であるが、心筋梗塞死亡の約10%を占めると推測されている。1960年代では他の合併症が減少するなかで相対的に増加したが、再灌流療法の普及後、減少傾向が認められる。

多くの例がblow out型で突然死するが、破裂が軽微なoozing型ではタンポナーデの進行が軽微で手術可能となる場合がある。多くは初回梗塞で梗塞周囲に亀裂を生じることにより心タンポナーデとなる。予防には急性期の安静保持と高血圧管理が重要である。救命的には心嚢穿刺、心外膜切開および排液があるが、多くは奏効しない。Oozing型での手術施行例では、予後は比較的良好である。