急性心筋梗塞〈acute myocardial infarction;AMI〉

心筋梗塞は、病理学的には高度の虚血による心筋組織の不可逆的心筋壊死と定義されている。特に発症後1~2ヵ月以内のものを急性心筋梗塞と呼ぶ。多くの心筋梗塞の発症機序は、冠動脈が閉塞した結果生じると考えられている。死亡例の60~70%は発症後1~2時間以内の院外での死亡であり、死亡率は35~50%に達する重篤な疾患であるため、迅速でかつ正確な診断および治療が必要とされる。

本症は突然出現する胸痛、特異的な心電図変化、心筋逸脱酵素の上昇、心エコードプラ検査による壁運動異常の検出により診断される。心筋梗塞症例の約9割は発症時に心窩部を中心とした激烈な胸痛を訴えるが、胸痛を自覚しない例、悪心や嘔吐のみを訴える症例もある。このような例では検査による診断が重要となる。心電図変化による診断はST上昇、R波の減高、および多くの場合には発症後数時間より異常Q波が出現することによって行われる。また、ST上昇や異常Q波の出現した誘導から梗塞部位を推定することも可能である。心筋壊死に伴い、心筋よりCPK、GOT、GPT、LDHなどの酵素が流出する。特にCPKのMB分画は心筋にきわめて特異性が高い。これら逸脱酵素の上昇を測定することにより診断確定、梗塞心筋量の推定が行われる。心エコードプラ検査では、急性心筋梗塞発症時において心電図より早期かつ鋭敏に壁運動異常を検出することが可能であり、梗塞部位、範囲およびその他の機械的合併症の有無を簡便にかつ繰り返し測定できる。これらの検査法を用いて診断が確定されれば、早期に治療を開始する必要がある。

急性期治療の基本は冠動脈閉塞の早期再灌流によって心筋壊死巣を減少させ、左室機能と心筋虚血を改善すること(血栓溶解療法、PTCAなど)、および早期合併症(再梗塞、心不全、不整脈、心破裂、心原性ショックなど)の予防と出現した場合での迅速な対応である。

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