不整脈誘発性心筋症

不整脈誘発性心筋症は、明らかな器質的心疾患を有さず、長期間続く頻脈あるいは不規則な脈によって左室収縮機能が低下した心筋症である。原因として、心房細動、心房粗動、心房頻拍、房室回帰性頻拍、房室結節回帰性頻拍などの上室性不整脈に加えて、頻発する心室期外収縮、心室頻拍などの心室性不整脈も不整脈誘発性心筋症を引き起こすことが知られている。

不整脈誘発性心筋症の疾患概念図

不整脈誘発性心筋症は、左室収縮機能低下と持続する頻脈性不整脈、または頻発する期外収縮を有する患者で、不整脈以外に明確な病因がない場合に疑われるべきである。また、二次性心筋症の患者でこれらの不整脈が存在する場合は、不整脈誘発性心筋症の合併を考慮する必要がある。不整脈誘発性心筋症を診断または除外するためには、Holter心電図検査による不整脈の検出に加え、心エコーまたは心臓MRIによって他の病因を鑑別することが重要である。

頻脈誘発性心筋症は、抗不整脈薬の投与またはカテーテル・アブレーションにより、原因となる不整脈のレートコントロールまたは洞調律化を行うことで、数週間~数ヵ月以内に左室収縮機能低下が正常レベルまで改善する例が多い。特にカテーテル・アブレーションは、長期または根治的な効果が期待できるため、患者の年齢、併存疾患、および不整脈の種類を考慮したうえで積極的に検討すべきである。