ビソノテープ2mg・4mg・8mg よくあるご質問

製剤

ビソノテープは、支持体、有効成分のビソプロロールを含有した粘着層、ライナーから構成されるマトリックス型のテープ剤です。

ビソノテープの断面図
図1. ビソノテープの断面図

[参考資料]
ビソノテープ2mg・4mg・8mg電子添文「3.2 製剤の性状」

2023年9月更新

ビソノテープの有効成分は「ビソプロロール」であり、ISA(内因性交感神経刺激作用)がなく、β1受容体選択性が高いβ遮断薬です。

ビソプロロールは、フマル酸塩の経口製剤が国内外で広く使用されています。
塩を形成している状態よりも遊離化(フリー化)している状態の方が皮膚の透過性が良好であることから、ビソノテープはビソプロロールのフリー体を選択しています。

[参考資料]
ビソノテープ2mg・4mg・8mg電子添文「18.1 作用機序」

2023年9月更新

アルミ袋にある3つの切り口を数字の順に開け、アルミ袋を大きく開いてテープを取り出してください(図1、図2)。

図1. アルミ袋の切り口
図1. アルミ袋の切り口
図2. アルミ袋の開き方
図2. アルミ袋の開き方

[参考資料]
ビソノテープ2mg患者用説明書
ビソノテープ4mg・8mg患者用説明書
ビソノテープ貼り方説明書

2023年9月更新

ビソノテープを使用するまではアルミ袋を開封しないでください。
なお、製剤の苛酷試験(無包装状態)の結果は以下のとおりです。

ビソノテープは光に対して不安定なため、遮光が必要です。
アルミ袋開封後はアルミ袋に挟んでビニール袋に入れ、暗所で保存してください。
開封後は使用期限内であっても速やかにご使用ください。

表1. ビソノテープの各種条件下における安定性

試験名 保存条件 保存期間 保存形態 結果
長期保存試験 25℃ 60%RH 暗所 36ヵ月 アルミ袋 規格内
加速試験 40℃ 75%RH 暗所 6ヵ月 規格内
苛酷試験 温度 50℃ 暗所 3ヵ月 規格内
湿度 25℃ 90%RH 暗所 1ヵ月 無包装 ミリスチン酸イソプロピルの低下
25℃ 60%RH D65蛍光ランプ照射
総照度120万lx・hr以上
総近紫外放射エネルギー200W・h/m2以上
類縁物質の増加注1)
ミリスチン酸イソプロピルの低下注2)

試験項目:性状、確認試験(苛酷試験を除く)、純度試験、形状試験、粘着力試験、放出試験、ミリスチン酸イソプロピル、含量
注1)4mgは60万lx・hr照射時点で、2mg及び8mgは120万lx・hr照射時点で類縁物質の増加が認められた。
注2)2mg及び4mgは60万lx・hr照射時点で、8mgは120万lx・hr照射時点でミリスチン酸イソプロピルの低下が認められた。

[参考資料]
ビソノテープ2mg・4mg・8mg電子添文「14.1.3 保管」
ビソノテープ2mg・4mg・8mgインタビューフォーム「IV. 6. 製剤の各種条件下における安定性」

2023年9月更新

ビソノテープは支持体にプラスチックフィルムを使用していますので、油性ペンで支持体側に文字を書き込むことが可能です。

市販の油性ペンのインク成分を用いて、ビソノテープの支持体に対する透過性を検討した結果、インク成分の透過は認められなかったので、皮膚には影響しないと考えられます。

ただし、インク成分によっては衣服を汚してしまうことや、インクの色が濃い場合には書いた文字が衣服から透けて見えてしまうことがありますので注意が必要です。

2023年9月更新

効能・効果

ビソノテープの効能又は効果、用法及び用量は以下のとおりです。

効能又は効果
○本態性高血圧症(軽症~中等症)
○頻脈性心房細動

(参考)

効能又は効果 ビソノテープ2mg ビソノテープ4mg ビソノテープ8mg
本態性高血圧症
(軽症~中等症)
-
頻脈性心房細動

○:効能あり -:効能なし

用法及び用量
〈本態性高血圧症(軽症~中等症)〉
通常、成人にはビソプロロールとして8mgを1日1回、胸部、上腕部又は背部のいずれかに貼付し、貼付後24時間ごとに貼りかえる。
なお、年齢、症状により1日1回4mgから投与を開始し、1日最大投与量は8mgとする。
〈頻脈性心房細動〉
通常、成人にはビソプロロールとして1日1回4mgから投与開始し、効果が不十分な場合には1日1回8mgに増量する。本剤は胸部、上腕部又は背部のいずれかに貼付し、貼付後24時間ごとに貼りかえる。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最大投与量は8mgとする。

[参考資料]
ビソノテープ2mg・4mg・8mg電子添文「4. 効能又は効果」「6. 用法及び用量」

2023年9月更新

本態性高血圧症及び頻脈性心房細動の第III相検証試験において、ビソプロロールフマル酸塩錠との非劣性が検証されています。
電子添文を参照してください。

[参考資料]
ビソノテープ2mg・4mg・8mg電子添文「17. 1 有効性及び安全性に関する試験」

2023年9月更新

ビソノテープを皮膚に貼付すると、有効成分であるビソプロロールが、表皮、毛のうや汗腺、細胞間のすきまなどを通過して毛細血管に吸収されます(図1)。
毛細血管に吸収されたビソプロロールは、全身を循環しながらβ1受容体を選択的に遮断し、降圧作用及び心拍数低下作用を示します。

経皮吸収経路の模式図
図1. 経皮吸収経路の模式図

[参考資料]
ビソノテープ2mg・4mg・8mg電子添文「18.1 作用機序」

2023年9月更新

本態性高血圧症患者にビソノテープ2mg、4mg、8mg又はプラセボを1日1回8週間投与した用量探索試験において、用量依存的な血圧低下作用、脈拍数減少作用が認められています。

国内第II相用量探索試験(プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験)(231試験)
本態性高血圧症(I度・II度)患者184例を対象に、ビソノテープ2、4、8mg又はプラセボを8週間投与し、ビソノテープの有効性及び安全性を、プラセボを対照とした二重盲検並行試験にて検討した。ビソノテープ2~8mg投与において、用量依存的な降圧効果が認められ、また、トラフ時坐位拡張期血圧について、ビソノテープの各用量群ではいずれもプラセボ群に比べて有意に低かった。安全性には相違がなかったことから、8mgが臨床推奨用量であると考えられた。

表1. 治療期8週後のトラフ時坐位拡張期血圧及び収縮期血圧の変化値(mmHg)

  2mg群 4mg群 8mg群 プラセボ
na) 47(46) 46(44) 44(44) 47(46)
トラフ時
坐位血圧(mmHg)#
拡張期 治療前値 99.2±3.3 100.2±4.4 99.6±3.9 99.7±4.7
変化値 -7.6±7.2 -10.5±7.9 -11.3±9.9 -3.2±6.4
収縮期 治療前値 149.1±6.6 151.5±11.8 146.9±9.1 149.6±10.4
変化値 -6.8±9.7 -9.2±12.7 -10.4±12.7 -1.5±10.7
トラフ時坐位拡張期血圧(mmHg)の
変化値の平均値における
プラセボとの差##
-4.4±1.4
[-7.2~-1.6]
-7.3±1.5
[-10.3~-4.3]
-8.1±1.8
[-11.6~-4.6]
-

#:平均値±標準偏差 ##:平均値±標準誤差 [ ]は95%信頼区間
a)カッコ内は治療期8週後の変化値の解析対象例数

トラフ時坐位拡張期血圧及び収縮期血圧の変化値
図1. トラフ時坐位収縮期血圧及び拡張期血圧の変化値

表2. 治療期8週後のトラフ時坐位脈拍数の変化値(拍/分)

  2mg群 4mg群 8mg群 プラセボ
na) 47(46) 46(44) 44(44) 47(46)
治療前値# 77.1±9.4 73.1±6.5 76.0±8.1 72.7±7.4
変化値# -9.0±7.7 -11.6±7.5 -14.5±6.0 -1.0±6.7
変化値の平均値における
プラセボとの差##
-8.1±1.5
[-11.0~-5.1]
-10.6±1.5
[-13.6~-7.7]
-13.5±1.3
[-16.2~-10.9]
-

#:平均値±標準偏差 ##:平均値±標準誤差 [ ]は95%信頼区間
a)カッコ内は治療期8週後の変化値の解析対象例数

トラフ時坐位脈拍数の変化値
図2. トラフ時坐位脈拍数の変化値

注)ビソノテープの承認された1日用量は、本態性高血圧症(軽症~中等症)8mgです。なお、1日最大投与量は8mgです。

[参考資料]
ビソノテープ2mg・4mg・8mgインタビューフォーム「V. 5. (4) 1)有効性検証試験」

2023年9月更新

本態性高血圧症患者及び頻脈性心房細動患者におけるビソノテープ貼付後の効果発現時間は検討しておりません。
なお、ビソノテープの本態性高血圧症及び頻脈性心房細動の開発時の臨床試験において、投与開始後初回の観察時点は2週後であり、その時点では降圧効果及び心拍低下効果が認められています。

2023年9月更新

用法・用量
  • 1

    貼る場所を清潔なタオルなどでよくふいてください。

  • 2
    貼り方2

    アルミ袋は、3つの切り口を数字の順に開け、アルミ袋を大きく開いてお薬を取り出してください。

  • 3
    貼り方3

    青い数字が印刷されている面を上にして山折りし、片方のプラスチック(ライナー)を剥がします。

  • 4
    貼り方4

    あらわれた粘着面を皮膚に貼り、残った片方のプラスチック(ライナー)をひっくり返し、ずらしながら剥がします。

  • 5

    テープ全体をしっかり押さえ、まんべんなく貼ってください。
    お薬がしっかり貼れない場合は、絆創膏などで固定してください。

ビソノテープ貼り方のポイント

○テープを貼る前に、貼る場所を清潔にする。

○片方ずつライナーを剥がす。

○テープの粘着面に触らないようにする。

○傷や湿疹がある場所、汗をかきやすい場所には貼らない。

○貼った後は、テープ全体を手のひらで押さえ、しっかりと貼る。

○テープを剥がすときは、やさしくゆっくり剥がす。

○貼りかえごとに貼る場所を変える。

[参考資料]
ビソノテープ2mg患者用説明書
ビソノテープ4mg・8mg患者用説明書
ビソノテープ貼り方説明書

2023年9月更新

1日1回、胸部、上腕部、背部(斜線部)のどちらかに貼ってください(図1)。

ビソノテープを貼る場所
図1. ビソノテープを貼る場所

・同じ場所に貼り続けると、かゆみ、発赤、かぶれなどが生じる場合があります。貼りかえごとに場所を変えてください。
・傷や湿疹がある場所、汗をかきやすい場所には貼らないでください。

健康成人男子の胸部、上腕部、背部にビソノテープ8mgを単回投与(24時間貼付)したとき、血漿中ビソプロロール濃度は同様の推移を示し、薬物動態パラメータも貼付部位の違いにより大きく異なることはありませんでした。

表1. ビソノテープ8mg単回投与(24時間貼付)時の貼付部位別の薬物動態パラメータ

貼付部位 Cmax(ng/mL) Tmax(hr) T1/2(hr) AUC
(ng・hr/mL)
胸部(n=11) 11.855±2.979 9.8±2.3 15.18±4.09 343.09±84.02
背部(n=11) 10.647±3.771 10.2±2.3 13.77±2.21 316.04±103.90
上腕部(n=12) 10.766±4.539 12.5±6.0 15.47±3.66 326.38±110.83

(平均値±標準偏差)

貼付部位別血中濃度
図2. ビソノテープ8mg単回投与(24時間貼付)時の貼付部位別の血漿中ビソプロロール濃度推移(平均値±標準偏差)

[参考資料]
ビソノテープ2mg・4mg・8mg電子添文「14.1.1 貼付部位」
ビソノテープ2mg・4mg・8mgインタビューフォーム「VII. 4. 吸収」
ビソノテープ2mg患者用説明書
ビソノテープ4mg・8mg患者用説明書
ビソノテープ貼り方説明書

2023年9月更新

ビソノテープが一部剥がれてしまった場合は、絆創膏などで固定し、再貼付してください。

汗によって剥がれた場合は、汗や皮膚の水分をよく拭き取ってから絆創膏などで固定し、再貼付してください。
それでも剥がれてしまった場合は、次回の貼付時間になってから新しいテープを貼ってください。

貼付中に剥がれないようにするために、貼った後はテープ全体を手のひらで押さえ、しっかりと貼付します。
貼付後すぐに体を動かすと剥がれやすくなりますので、しばらく運動などは控えるようにしてください。

[参考資料]
ビソノテープ2mg・4mg・8mg電子添文「14.1.2 貼付期間中」
ビソノテープ貼り方説明書

2023年9月更新

貼付したままで入浴可能です。
入浴中に貼付部位をタオルなどでこすったりすると、剥がれやすくなりますのでご注意ください。また、剥がれそうになった場合には絆創膏などで固定してください。

入浴で皮膚温が上がることによる薬物動態への影響については検討していませんが、開発時の臨床試験では貼付したまま入浴可能としており、入浴の影響による副作用は認められませんでした。

2023年9月更新

貼りかえ忘れに気づいた場合は、すぐに新しいテープに貼りかえて、次回からはいつもと同じ時間に貼りかえてください。
ただし、次に貼りかえる時間が近い場合は、1回とばして、次回いつもと同じ時間に貼りかえてください。
絶対に2回分を一度に貼ってはいけません。

[参考資料]
ビソノテープ貼り方説明書

2023年9月更新

ビソノテープの単位面積当たりのビソプロロール濃度は一定で、用量は面積に比例します。
健康成人にビソノテープ4、8mgを単回投与した試験、及びビソノテープ1、2、4mgを7日間反復投与した試験において、Cmax及びAUCは投与量(面積)に応じて増加することが確認されています。
そのため、2mg製剤を2枚貼付した場合は4mg製剤1枚貼付したとき、又は4mg製剤を2枚貼付した場合は8mg製剤1枚貼付したときと同様の血漿中濃度が得られると考えられます。
なお、2mg製剤は、頻脈性心房細動に対する用量調整用の製剤で、効能又は効果は、頻脈性心房細動のみです。

注)ビソノテープの承認された1日用量は、本態性高血圧症(軽症~中等症)8mg、頻脈性心房細動4mgです。なお、1日最大投与量は8mgです。

[参考資料]
ビソノテープ2mg・4mg・8mgインタビューフォーム「VII. 1. (2)臨床試験で確認された血中濃度」

2023年9月更新

ビソノテープとフランドルテープ(硝酸イソソルビド・テープ剤)などの硝酸剤とは相加的に作用(降圧作用)を増強させるため併用注意です。
併用する場合は定期的に血圧を測定し、両剤の用量を調節してください。

[参考資料]
ビソノテープ2mg・4mg・8mg電子添文「10. 2 併用注意(併用に注意すること)」

2023年9月更新

薬物動態

健康成人男子の胸部にビソノテープ8mgを24時間貼付し、除去後の製剤中薬物残存量から測定したビソプロロール放出率は81.23±4.66%でした(n=38、平均値±標準偏差)。

[参考資料]
ビソノテープ2mg・4mg・8mgインタビューフォーム「VII. 4. 吸収」

2023年9月更新

健康成人男子にビソノテープ4mg(10例)又は8mg(10例)を単回投与(24時間貼付)した場合の薬物動態を検討した結果、テープを剥がして除去した後も、ビソプロロールの血中濃度は緩やかに減少していくことが確認されています(表1、図1)。

表1. 健康成人男子にビソノテープ4又は8mgを単回投与(24時間貼付)したときの薬物動態パラメータ

投与量 Cmax(ng/mL) Tmax(hr) T1/2(hr) AUC
(ng・hr/mL)
4mg(n=10) 6.486±2.519 10.0±2.1 14.99±2.73 177.06±60.98
8mg(n=10) 11.947±4.651 11.0±2.2 15.79±2.07 335.11±92.30

(平均値±標準偏差)

24時間貼付時血中濃度推移
図1. 健康成人男子にビソノテープ4又は8mgを単回投与(24時間貼付)したときの血漿中ビソプロロール濃度推移(平均値±標準偏差)

また、健康高齢者(65歳以上)9例及び健康非高齢者(20歳以上35歳以下)10例にビソノテープ8mgを14日間反復投与(1日1回24時間貼付)したとき、いずれも投与4日で定常状態に達し、投与14日目の薬物動態パラメータは以下のとおりでした(表2)。

表2. 健康高齢者及び健康非高齢者にビソノテープ8mgを14日間反復投与(1日1回24時間貼付)したときの薬物動態パラメータ

対象 Cmax(ng/mL) Tmax(hr) T1/2(hr) AUC24
(ng・hr/mL)
高齢者(n=9) 27.1000±10.7983 8.9±1.8 21.65±3.95 522.42±215.92
非高齢者(n=10) 22.4000±4.2413 7.8±2.0 20.80±4.48 396.28±66.69

(平均値±標準偏差)

[参考資料]
ビソノテープ2mg・4mg・8mg電子添文「16.1.1 単回投与」「16.1.2 反復投与」
ビソノテープ2mg・4mg・8mgインタビューフォーム「VII. 1. (2)臨床試験で確認された血中濃度」

2023年9月更新

特定の背景を有する患者

低用量から投与を開始することを考慮してください。薬物の排泄遅延により血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがあります。

腎機能正常及び腎機能軽度~高度低下高血圧症患者にビソノテープ8mgを7日間反復投与(1日1回24時間貼付)したとき、腎機能が低下するに従ってCmax及びAUC24の増加、T1/2の延長が認められ、特に腎機能高度低下患者において、血漿中ビソプロロール濃度が大きく上昇する可能性が示唆されました。
腎機能正常患者、軽度低下患者、中等度低下患者及び高度低下患者の副作用発現率は、それぞれ12.5%(1/8例)、44.4%(4/9例)、37.5%(3/8例)及び66.7%(4/6例)であり、腎機能障害のある患者の副作用発現率は腎機能正常患者に比べて高い傾向を示しました。

[参考資料]
ビソノテープ2mg・4mg・8mg電子添文「9.2 腎機能障害患者」「16.6.1 腎機能障害患者における薬物動態」
ビソノテープ2mg・4mg・8mgインタビューフォーム「VII. 10. 特定の背景を有する患者」「VIII. 6. (2)腎機能障害患者」

2023年9月更新

少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされています。また、脳梗塞等がおこるおそれがあります。

高齢者では徐脈等の心拍数・心リズム障害があらわれやすいので、このような症状があらわれた場合には減量又は投与を中止してください。なお、休薬を要する場合は、徐々に減量してください。

健康高齢者(65歳以上)9例及び健康非高齢者(20歳以上35歳以下)10例にビソノテープ8mgを14日間反復投与(1日1回24時間貼付)したとき、血漿中ビソプロロール濃度推移は高齢者で若干高いものの、高齢者と非高齢者で同様の推移を示しました。投与14日目のCmax及びAUC24の非高齢者に対する高齢者の比は1.1419及び1.2310でした(表1)。

表1. 健康高齢者及び健康非高齢者にビソノテープ8mgを14日間反復投与(1日1回24時間貼付)したときの薬物動態パラメータ

対象 Cmax(ng/mL) Tmax(hr) T1/2(hr) AUC24
(ng・hr/mL)
高齢者(n=9) 27.1000±10.7983 8.9±1.8 21.65±3.95 522.42±215.92
非高齢者(n=10) 22.4000±4.2413 7.8±2.0 20.80±4.48 396.28±66.69
パラメータの比
(高齢者/非高齢者)
1.1419 1.1396 1.0453 1.2310

(平均値±標準偏差)

[参考資料]
ビソノテープ2mg・4mg・8mg電子添文「9.8 高齢者」
ビソノテープ2mg・4mg・8mgインタビューフォーム「VII. 1. (2)臨床試験で確認された血中濃度」「VIII. 6. (8)高齢者」

2023年9月更新

安全性

ビソノテープの副作用について、電子添文には以下のように記載しています。

11. 副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用
11.1.1 心不全(0.6%)、完全房室ブロック、高度徐脈、洞不全症候群(いずれも頻度不明)
心機能検査を定期的に行い、このような副作用が発現した場合には減量又は投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

  1%以上 1%未満注1) 頻度不明注2)
循環器 徐脈 房室ブロック、血圧低下、心室性期外収縮、動悸、胸痛 心房細動、心胸郭比増加
精神神経系   頭痛、傾眠、浮動性めまい、体位性めまい 頭重感、不眠、悪夢
消化器     悪心、嘔吐、胃部不快感、腹部不快感、食欲不振、下痢
肝臓 ALTの上昇 AST、LDH、Al-P、ビリルビンの上昇 γ-GTPの上昇、肝腫大
腎臓・泌尿器 尿中蛋白陽性 クレアチニン、BUNの上昇 尿中ブドウ糖陽性、頻尿
呼吸器   呼吸困難 気管支痙攣
過敏症   皮膚そう痒感 発疹
    霧視、涙液分泌減少
適用部位障害 (適用部位)
皮膚炎、紅斑、そう痒感
(適用部位)
疼痛、熱感、乾燥、湿疹、変色、びらん
その他 好酸球百分率増加、血中トリグリセリド増加、血中尿酸増加、CRP増加 無力症、疲労、倦怠感、CKの上昇、血中コレステロール増加、HDLコレステロール増加、LDLコレステロール増加、血中ブドウ糖増加 浮腫、気分不快感、四肢冷感、悪寒、しびれ感、糖尿病増悪

注1)ビソプロロールフマル酸塩経口製剤の電子添文に記載されている副作用を参考に、本剤での臨床試験の副作用発現率が1%未満の副作用を記載した。

注2)本剤の承認時までの臨床試験では発現していないが、ビソプロロールフマル酸塩経口製剤の電子添文に記載のある副作用を、頻度不明として記載した。

承認時までの副作用発現例数はインタビューフォームを、市販後における副作用発現状況については市販直後調査結果のご報告及び再審査結果及び使用成績調査・特定使用成績調査結果のご報告をご参照ください。

[参考資料]
ビソノテープ2mg・4mg・8mg電子添文「11.副作用」
ビソノテープ2mg・4mg・8mgインタビューフォーム「VIII. 8. 副作用」
ビソノテープ4mg・8mg市販直後調査結果のご報告
ビソノテープ2mg・4mg・8mg再審査結果及び使用成績調査・特定使用成績調査結果のご報告

2023年9月更新

手術時は麻酔により交感神経活性が抑制されることから、β遮断剤投与により、さらに交感神経活性が抑制され心機能が低下することを防ぐために、手術前48時間は投与しないことが望ましいとされています。

[参考資料]
ビソノテープ2mg・4mg・8mgインタビューフォーム「VIII. 5. 重要な基本的注意とその理由」

2023年9月更新

併用により、薬理作用から効果が増強され副作用の発現のおそれがある薬剤、及び効果が減弱される可能性のある薬剤について併用注意に設定しています。併用する場合には用量に留意して慎重に投与するなど注意してください。

10.2 併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
交感神経系に対し抑制的に作用する薬剤

レセルピン 等

過剰の交感神経抑制作用(徐脈、血圧低下等)があらわれることがある。
異常が認められた場合には両剤の減量若しくは投与を中止する。
相加的に作用(交感神経抑制作用)を増強させる。
血糖降下剤

インスリン製剤
トルブタミド 等

血糖降下作用が増強することがある。また、低血糖症状(頻脈、発汗等)をマスクすることがある。
血糖値に注意し、異常が認められた場合には本剤の減量若しくは投与を中止する。
β2遮断により肝臓でのグリコーゲン分解が抑制される。また、低血糖時に分泌されるアドレナリンにより生じる低血糖症状をマスクする。
Ca拮抗剤

ベラパミル塩酸塩
ジルチアゼム塩酸塩 等

徐脈、房室ブロック、洞房ブロック等があらわれることがある。
定期的に脈拍数を測定し、必要に応じて心電図検査を行い、異常が認められた場合には、両剤の減量若しくは投与を中止する。
相加的に作用(心刺激生成・伝導抑制作用、陰性変力作用、降圧作用)を増強させる。特にジギタリス製剤との3剤併用時には注意を要する。
ジギタリス製剤

ジゴキシン
メチルジゴキシン

徐脈、房室ブロック等があらわれることがある。
定期的に心電図検査を行い、異常が認められた場合には、両剤の減量若しくは投与を中止する。
相加的に作用(心刺激生成・伝導抑制作用)を増強させる。特にCa拮抗剤との3剤併用時には注意を要する。
クロニジン塩酸塩
グアナベンズ酢酸塩
クロニジン、グアナベンズ投与中止後のリバウンド現象(急激な血圧上昇)が増強することがある。
クロニジンを中止する場合は、あらかじめ本剤の投与中止等適切な処置を行う。
クロニジンを中止した場合、血中ノルアドレナリンが上昇する。β遮断剤と併用している場合、クロニジンの中止により、α作用が強調され、より急激な血圧上昇を起こす。グアナベンズも作用機序から同様な反応が予測される。
クラスI抗不整脈剤

ジソピラミドリン酸塩
プロカインアミド塩酸塩
アジマリン 等

クラスIII抗不整脈剤

アミオダロン塩酸塩

過度の心機能抑制(徐脈、低血圧等)があらわれることがある。
臨床症状を観察し、異常が認められた場合には本剤の減量若しくは投与を中止する。
相加的に作用(交感神経抑制作用)を増強させる。
非ステロイド性抗炎症剤

インドメタシン 等

本剤の降圧作用が減弱することがある。 非ステロイド性抗炎症剤は、血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成・遊離を阻害する。
降圧作用を有する薬剤

降圧剤
硝酸剤

降圧作用が増強することがある。
定期的に血圧を測定し、両剤の用量を調節する。
相加的に作用(降圧作用)を増強させる。
フィンゴリモド塩酸塩 フィンゴリモド塩酸塩の投与開始時に併用すると重度の徐脈や心ブロックが認められることがある。 共に徐脈や心ブロックを引き起こすおそれがある。

[参考資料]
ビソノテープ2mg・4mg・8mg電子添文「10.2 併用注意(併用に注意すること)」
ビソノテープ2mg・4mg・8mgインタビューフォーム「VIII. 7. (2)併用注意とその理由」

2023年9月更新

電気的除細動を行う際、もしくは自動体外式除細動器(AED: Automated External Defibrillator)を使用する際は、電極パッドを装着するところにあるすべての貼り薬や貼付物・ネックレスなどは除去してください(図1)。

AED電極パッドの装着部位
図1. AED電極パッドの装着部位

2023年9月更新

ビソノテープは金属を使用しておらず、MRI検査にて火傷などが起きる可能性はないと考えられます。

2023年9月更新