循環器用語ハンドブック
maze手術〈maze operation〉
心房の切開-再縫合により解剖学的構造に起因するすべてのマクロリエントリー回路を切断するとともに、心房筋の幅を狭くすることで心房内での興奮旋回を阻止し、心房細動を抑制する術式であり、1991年Coxらにより開発された。最初に臨床応用されたmazeⅠでは8.5年の経過で32例中26例(81%)で洞調律が維持された。しかし、術後高率に洞性徐脈をきたすこと、術後においても左房収縮能が必ずしも十分でないなどの問題点があり、その後心房切開線の変更を中心とした術式の改良が加えられmazeⅡ、mazeⅢに至っており、118例のlone AfにmazeⅢを行った結果、再発率2%、ペースメーカ植込み24%(mazeⅠ56%)、左房収縮94%(mazeⅠ72%)と手術成績の向上が報告されている。
ただし、maze原法はその複雑な心房切開線のために心停止時間の延長、出血の危険性を伴い、より低侵襲な術式が望まれる。このため、本邦ではさらに心房切開-再縫合を一部凍結凝固で代用するmaze変法が行われている。また、病態によっては右心房および心房中隔のみに切開を行うrightsided mazeも考慮される。

