循環器用語ハンドブック

カテーテル・アブレーション〈catheter ablation;CA、経皮的カテーテル心筋焼灼術〉

カテーテル・アブレーション(経皮的カテーテル心筋焼灼術)は、頻脈性不整脈の原因となる部位の心筋を局所的に凝固壊死させることによりその根治を図る治療法である。従来、抗不整脈薬が不整脈の治療・予防手段として広く用いられてきたが、心筋の異常な電気活動を抑制するのみで根本的な治療となりえないこと、その心外副作用、催不整脈作用が洞調律維持の利点を相殺しうることが種々の臨床試験において示され、有用性に限界があることが認識されるようになった。これに代わり、侵襲度が少なくかつ根治が期待されるカテーテル治療は1980年代初頭に臨床で導入されて以降、高周波エネルギーの導入、種々のカテーテルの開発を経て1990年代に飛躍的に普及した。

頻脈性不整脈の生じる原因は異常自動能、triggered activity、リエントリーに分類され、異常興奮部位やリエントリー回路がアブレーションの標的となる。房室回帰性頻拍における副伝導路(ケント束)焼灼、通常型心房細動における三尖弁輪-下腿静脈間峡部の線状焼灼など上室性頻拍に対する手技については初期成功率が90%を超えており、すでに標準的治療法として確立している。近年の3Dマッピングシステムの進歩によって不整脈基質の理解が進むに伴い、その適応は上記疾患のみにとどまらず、心房頻拍、心房細動、さらに心室頻拍とほぼすべての頻脈性不整脈に拡大されるようになった。また、高周波に代わる新たなエネルギー源、よりエネルギー深達性を高めたカテーテル形状のデザイン、カテーテルと心筋との接触状況や累積エネルギーを定量化するモニタリングシステムなど技術面においても発展中であり、今後は複雑性不整脈においてもアブレーションの成績がさらに向上することが期待される。

ページトップへ