循環器用語ハンドブック

ペーシング不全〈pacing failure〉

心電図上ペーシングスパイクが認められないno outputと、スパイクはあるが心房あるいは心室が捕捉されない捕捉不全(capture failure)がある。

No outputはリード断線、双極リードのリード間絶縁損傷、ジェネレーター内部の故障、電池切れなどが原因である。レントゲン写真での詳細な観察で断線部位の発見に努めたり、ジェネレーターとリード線を圧迫するなどしながら心電図を記録して原因を推定する。断線があれば、破損部位の修復あるいは新規リードの挿入を実施する。ジェネレーターに問題がある場合にはジェネレーターを交換する。リードインピーダンスが極端に低下していれば、被覆損傷と考えられるのでリードの交換が必要である。

捕捉不全は電極の離脱、移動、心筋穿通、あるいは電極周囲の線維組織形成によって生じることが多い。テレメトリーでリードインピーダンスの上昇が確認される。胸部レントゲン写真により電極の離脱・移動が確認されれば再手術によりリード位置を適切な位置に再固定する。電極位置に大きな変化がなく、出力を少し上げることによりペーシングが可能であれば、その状態で経過をみてもよい。心室リードの穿通の場合、遠位電極および近位電極からそれぞれ単極誘導心電図を記録したり、それぞれの電極からペーシングを行うことが診断の助けとなることがある。この場合、外科医に依頼し電極を心腔内に戻し、心筋を縫合する。このほかリード被覆損傷、不完全断線、電池寿命の終了時などでも捕捉不全が起こる。リードに問題があれば交換が必要である。ペーシングレートあるいはマグネットレートが低下していれば、ジェネレーター交換術を行う。

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