循環器用語ハンドブック
心臓移植〈heart transplantation〉
心臓移植とは、脳死状態にある臓器提供者から提供された心臓を移植する手術であり、術後免疫抑制剤による管理を要する。
現在、国際心肺移植学会(International Society for Heart & Lung Transplantation;ISHLT)に登録された心臓移植数は年間4,000例ほどであり、移植後の成績は5年生存率70%、10年生存率50%程度となっている。一方、わが国では、1997年(平成9年)10月16日臓器移植に関する法律、いわゆる臓器移植法が施行され、1999年(平成11年)2月28日に、1968年(昭和43年)の和田移植以来、ようやく1例目が行われたが、年間10例前後で推移していた。2010年(平成22年)に臓器移植法の改正が行われ、臓器提供者の増加により年間30~40例の移植件数となっている。 2013年12月31日時点で、185人が心臓移植を受け、5年生存率92.5%、10年生存率は89.8%となっている。
レシピエントの適合基準は、至適な現存する治療を受けていてもNYHA(New York Heart Association)分類Ⅲ度以上から改善しない重症心不全であり、65歳未満(2013年4月から60歳から65歳へ引き上げ)でかつ、肝臓、腎臓の不可逆的機能障害、活動性感染症、HIV抗体陽性、肺高血圧症、薬物依存症、悪性腫瘍、膠原病や重度の糖尿病などの全身性疾患などを認めず、継続して移植医療を受けられる状況にあることである。
待機患者数は増加の一途をたどり、2014年12月1日時点で347人、そのうち静注強心薬依存や補助人工心臓装着中である医学的緊急度の高いstatus1が240人となっている。レシピエントの候補に選定される優先順位は、虚血許容時間、医学的緊急度、血液型の適合、待機期間の順番で考慮される。待機患者の原疾患は、拡張型心筋症222例、拡張相肥大型心筋症28例、拘束型心筋症4例、虚血性心筋症38例、弁膜症3例、先天性心疾患8例、再移植1例、その他43例で、大部分は非虚血性の心筋症であり、虚血性の割合は国際レジストリーと比し少ない。

