循環器用語ハンドブック

[dynamic]cardiomyoplasty

慢性心不全の外科的治療法の1つ。左側の広背筋を、その起始部に存在する支配神経・血管を温存しつつ有茎筋弁として採取し、胸腔内に挿入し心室周囲を被覆する。これを心周期に同期して収縮させることにより、低下した心機能を補おうとするもの。1970年代までに、実験的に長期電気刺激にて骨格筋の収縮特性が速筋から遅筋へと転換され、耐疲労性を獲得することが確認された。1985年パリで臨床応用後、全世界で600例以上が行われている。臨床成績では、NYHA分類の改善を含め自覚症状として著明な改善を認め、左室駆出率、左室仕事率は有意に改善した。しかし、統計学上心係数や肺動脈楔入圧には有意差を認めなかった。初期には移植にとって変わる治療法となることが期待されたが、最近長期成績が発表されるにつれ、基礎疾患および術前の心不全の重症度が大きく予後に関与する ことが徐々に明らかになってきた。

このため、適応としては継続的なNYHA分類Ⅳ度の症例は除外し、左室機能の障害は高度であるがNYHA分類Ⅲ度の症例とされている。現在そのメカニズムとして、骨格筋の収縮による循環補助効果(systolic assist)と、心臓周囲に被覆された骨格筋が一種のガードルとして心臓のさらなる拡大を防ぐ効果(girdling effect)が示唆されている。

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