循環器用語ハンドブック

PCPS〈percutaneous cardiopulmonary support、経皮的心肺補助装置〉

PCPSとは大艜動静脈から経皮的に挿入したカテーテルを介し、右心房中部から脱血、小型膜型人工肺で酸素化し、遠心ポンプを用いた閉鎖回路で下行大動脈分岐部に送血する補助循環装置である(図)。IABP(大動脈内バルーンパンピング)に比し、容量補助による補助循環であるPCPSは自己心拍を必要とせず、完全な心肺停止に陥った患者も補助可能(心拍出量2.2~2.4L/min/m2)である。

図.PCPS

適応は心肺蘇生を必要とする心原性ショック、IABPの限界を超えた重症心不全時の心肺補助、左主幹部などのハイリスクPTCA時の心肺補助、重症肺塞栓などである。挿入方法は大艜動静脈から経皮的に挿入可能であるが、外科的に血管を露出させて挿入する場合もある。持続使用は一般的に8時間程度といわれるが、実際は膜型人工肺の交換などで数日間使用することも可能である。しかし合併症のリスクは高まる。用いるカニューレが太く(15Fr~21Fr:径5~7mm)、血管損傷の危険性を考えると透視下で挿入することが基本であるが、緊急時には処置室やベッドサイドでの挿入も可能である。合併症はその侵襲性に伴うものが多く、偽性動脈瘤などの血管損傷、血腫、出血、血栓塞栓症、下肢虚血などがある。特に長時間留置に伴い、血小板減少などによる出血傾向も出現しうる。

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