循環器用語ハンドブック

補助循環〈mechanical circulatory support〉

補助循環とは一般に、大量の強心薬などの薬物療法にても改善しえないような重篤な心不全、ショックに対して用いられる機械的な循環補助法を指す。最初の補助循環は1960年代に開発されたIABP(大動脈内バルーンパンピング)であった。その後、自己拍出がない場合でも循環維持が可能である心肺補助装置が加わった。

補助循環は大きく、①後負荷軽減法、②心前負荷軽減法に分類される。後負荷軽減法は、心室駆出直前ならびに駆出期に動脈血を除去し、心室拡張期に循環に戻すことで心機能を補助する方法で、代表的なものでIABPがある。心前負荷軽減法には静脈動脈バイパスや心室補助が含まれる。静脈動脈バイパスは静脈系から脱血した血液を酸素化した後に動脈系に送血するシステムで、PCPS(経皮的心肺補助装置)はこれに属する。心室補助には左心補助、右心補助、両心補助があり、各心房または心室から脱血した血液を大動脈・肺動脈に送血し心室の容量負荷を軽減、心室ポンプ機能を代行する。現在、IABPやPCPSはベッドサイドでも挿入可能であり、心原性ショックや重症心不全において時機を逸せずに導入することで、救命心不全からの離脱に有効性が示されている。

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