循環器用語ハンドブック

腎動脈内デナベーション〈renal denervation〉

腎動脈内腔より高周波または超音波カテーテルアブレーションにより腎動脈周囲に分布する交感神経を障害・遮断する治療法である。全身の交感神経活動を低下させることが見込まれ、薬剤治療抵抗性高血圧に対する新たな治療法と期待されこれまでに複数の治験が行われている。

単一電極の高周波カテーテルアブレーションよるデナベーションとシャム手技を比較した試験(SYMPLICITY-HTN3)では主要評価項目である6ヵ月時点における腎動脈内デナベーション群の有意性を示すことができなかった。しかしながら、36ヵ月時点までの観察結果が報告され、腎動脈内デナベーション群の血圧コントロールの有意性と安全性が示された。さらに電極4つを有するらせん状のSPYRALカテーテルが開発され、ランダム化比較試験(SPYRAL HTN-OFF MED / ON MED)において腎動脈内デナベーション群の有意性(SPYRAL HTN-ON MEDで主要評価項目である24時間収縮期血圧の低下は達成できなかったが、副次評価項目である診察室収縮期血圧の低下は達成された)と安全性が示された。

安全性が示されているものの高周波カテーテルアブレーションによる腎動脈の内膜損傷は懸念事項である。一方で、超音波カテーテルアブレーションは腎動脈内膜の損傷は起こすことなく腎動脈周囲交感神経デナベーションが可能であるという利点がある。超音波アブレーションParadiseカテーテルの大規模試験(RADIANCE-HTN SOLO/TRIO)が行われ、腎動脈内デナベーション群で有意な血圧低下が示されている。今後、さらなる基礎・臨床研究によるエビデンスの集積が求められる。

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