循環器用語ハンドブック

方向性冠動脈粥腫切削術〈directional coronary atherectomy;DCA〉

方向性冠動脈粥腫切削術(DCA)は1990年に米国で開発され臨床応用が開始された。日本でも1992年より導入されたが、その後薬剤溶出性ステント(DES)の台頭もあり使用頻度の減少により2008年に製造中止となった。しかしながら、DCAを必要とする病変が存在することから2014年に日本で再承認された。

デバイスはカテーテル近位部にカッターおよび開口角度125°のハウジングが設けられており、ハウジングの対側にあるバルーンを拡張し、プラークをハウジング内に収納しカッターで切除、回収する仕組みとなっている。

術者の意図した方向のプラークを切削するために、複数方向からの透視画像および血管内イメージング画像の併用が推奨されている。良い適応として分岐部病変および入口部病変が挙げられる。これらの病変では従来のバルーン拡張およびステント留置で予想される複雑な手技を回避できる可能性があるとされている。右冠動脈入口部病変に対してDCAを施行した2例の透視画像を提示する(図)。

DCAの透視画像

症例1では透視の手前方向のプラークを切削した。症例2では右冠動脈大弯側のプラークを切除した。最近では薬剤コーティングバルーンと併用することでステント留置そのものを回避する方法についても良好な急性期、慢性期成績が報告されている。一方で非常に大型のデバイスであることから、8Frのカテーテルの使用が推奨されていること(7Frでも使用は可能)、病変部にデバイスが挿入された際の冠血流低下が予想されること、切除により血管解離、穿孔、塞栓症などのリスクがあることに注意が必要である。

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