循環器用語ハンドブック

late reperfusion

冠動脈閉塞の結果生じる心筋虚血に対する治療は発症から6時間以内がgolden timeであり、再灌流療法開始までの時間が短いほど左室機能は保たれると考えられ、6時間を超えた場合は不可逆的な心筋障害が心筋全層にわたって生じ再灌流療法の効果はないと考えられてきた。しかし、最近になって発症から6時間を超えた急性心筋梗塞症例に対しても再灌流療法を行った(late reperfusion)結果、再灌流療法を行わなかった場合と比較して、遠隔期の心不全の発症や致死的不整脈の出現を抑えられることがわかり、死亡率が改善された。

Late reperfusionが良好な予後をもたらす機序としては、梗塞責任冠動脈開存による梗塞部位の創傷治癒の促進および梗塞サイズの拡大予防効果、左室リモデリング抑制効果、ハイバネーション改善効果にあると考えられている。このような効果が得られるのは、急性心筋梗塞発症後数日~2週間以内に再灌流療法を行った場合であり、それ以上の期間を経て再灌流療法を施行しても効果は少ないと考えられている。一方、late reperfusionにより心筋内出血、収縮帯壊死などが生じ心破裂の危険性も指摘される。しかし、メタアナリシスによれば全体としての予後はlate reperfusionを行うほうが良好であり、急性心筋梗塞に対して今後はより積極的にlate reperfusionが行われるものと思われる。

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