循環器用語ハンドブック
心不全ステージ分類
心不全の病期の進展についての分類であり、日米欧のガイドラインにおいてステージA~Dの4つに分類されている。
2021年に発表された、心不全の世界共通の定義と分類(Universal Definition and Classification of Heart Failure)においてもこの分類が踏襲されており、心不全の世界共通の定義と分類では、リスク因子をもつが器質的心疾患やバイオマーカーの異常がなく、心不全症候のない患者をステージA(心不全リスク)、器質的心疾患、心機能異常(収縮能低下、拡張能障害など)、BNPまたは心筋トロポニン上昇のいずれかを認めるが、心不全症候のない患者をステージB(プレ心不全)、器質的心疾患、心機能異常のいずれかを有し、心不全症候もしくはその既往を有する患者をステージC(心不全)、安静時に重度の症候を認め、ガイドラインに準拠した管理や治療を行っても再発を繰り返し、管理や治療に対して抵抗性や不耐性を示し、心臓移植、補助循環、緩和ケアなどを考慮する必要がある患者をステージD(進行性心不全)と定義している。
心不全の病期はステージAからステージDに向かって進展し、進展の予防のためには、ステージに応じた適切な治療介入を行うことが重要である。ステージCは、心不全症候の既往も含むため、心不全の自覚症状からの重症度分類であるNYHA分類と対比すると、軽症から重症までの症候性心不全が該当するため、ステージ分類のみでは重症度評価が困難な場合があることには留意が必要である。

