循環器用語ハンドブック
心原性脳塞栓症
アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞とともに脳梗塞の3大病型の1つとされる。左心系の心腔内に形成された血栓が血流により移動し、脳血管を閉塞することによって起こる脳梗塞である。主要な原因としては心房細動があり、左心耳内に血栓が形成されることが多い。左室収縮能低下例や心室瘤のある症例では左心室内に血栓が形成されることもある。
心房細動に対する電気的除細動前に経食道心エコー図検査を行い心内血栓を確認することにより、安全に除細動できることが示されており(N Engl J Med 344: 1411-1420, 2001)、心内血栓の検出には経食道心エコー図検査が有用である。
可動性の強い血栓など、塞栓をきたす可能性が高いと考えられる場合は外科的摘出術が適応となることもある。比較的大きな血栓による塞栓症であるため、他の病型に比べ梗塞範囲が広く、重篤になりやすい。予防には抗凝固療法が有用であり、個々の症例の血栓リスクと出血リスクを考慮し、適応を判断する。

