3.血漿中濃度持続の仕組み

経皮吸収型製剤の特徴は、薬物が緩やかに吸収されることで徐々に血中濃度が上昇し、一定の血中濃度が維持されます。

全身性貼付薬の薬物血中濃度イメージ図

  • ● 経皮投与では、薬物は主として表皮への浸透を経て真皮内へと拡散し、皮下組織の毛細血管から吸収されます。消化管の粘膜上皮細胞から吸収される経口投与と比べると血中濃度の立ち上がりに時間がかかります。
  • ● 反面、製剤を貼っている間はほぼ一定の速度で持続的に薬物が浸透・吸収されるため、最高血中濃度に達した後は理論的にはその濃度が維持されます。

ビソノ®テープ/フランドル®テープの場合

■ ビソノ®テープの血漿中濃度推移

ビソノ®テープはビソプロロールフマル酸塩経口製剤に比べて血漿中ビソプロロール濃度の立ち上がりが緩やかで、24時間にわたり持続した血漿中濃度を示し、同程度のAUCを示しました。

ビソノテープの血漿中濃度推移

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【試験方法】
20~35歳の健康成人男子に、ビソノ®テープ8mgを胸部に24時間単回貼付またはビソプロロールフマル酸塩錠5mgを単回投与した時の薬物動態について検討した。

社内資料:経口製剤との薬物動態試験


■ フランドル®テープの血漿中濃度推移

フランドル®テープはフランドル®*に比べ血漿中ISDN(硝酸イソソルビド)濃度の立ち上がりが穏やかで、24時間~48時間にわたり持続した血漿中濃度を示しました。
24時間後のISDN濃度はフランドル®錠の12時間後の約2倍でした。

フランドル®テープ(ISDN40mg)貼付および、フランドル®錠20mg経口投与後ISDNの血漿中濃度推移 (n=6、平均±S.E.)

フランドルテープの血漿中濃度推移

TY:ISDN40mg/FRD:フランドル®

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* フランドル®錠の用法・用量
1回1錠(硝酸イソソルビドとして20mg)を1日2回経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。本剤はかまずに服用すること。

【試験方法】
健康成人男子6名に対し、フランドル®テープを1枚(ISDNとして40mg)胸部に24時間および48時間貼付したときの血漿中濃度について検討した。

山田和生ほか. Geriat.Med.20(10):1713-1732,(1982)
本研究はトーアエイヨー株式会社の支援により行われた

各製品の詳細につきましては、各製品添付文書をご参照ください。

「禁忌を含む使用上の注意」等につきましては、製品情報ページより添付文書等をご参照ください。

ビソノ®テープの血漿中濃度推移

ビソノテープの血漿中濃度推移

【試験方法】
20~35歳の健康成人男子に、ビソノ®テープ8mgを胸部に24時間単回貼付またはビソプロールフマル酸塩錠5mgを単回投与した時の薬物動態について検討した。

承認時評価資料:薬物動態試験成績(単回投与)

フランドル®テープの血漿中濃度推移

■ フランドル®テープ(ISDN40mg)貼付および、フランドル®錠20mg経口投与後ISDNの血漿中濃度推移 (n=6、平均±S.E.)

フランドルテープの血漿中濃度推移

TY:ISDN40mg/FRD:フランドル®

【試験方法】
健康成人男子6名に対し、フランドル®テープを1枚(ISDNとして40mg)胸部に24時間および48時間貼付したときの血漿中濃度について検討した。

承認時評価資料:山田和生ほか. Geriat.Med.20(10):1713-1732,(1982)