腎血管性高血圧[症]〈renovascular hypertension〉

腎動脈の狭窄により腎血流が低下し、レニンの分泌亢進がもたらされるために生じる高血圧で、高血圧患者の2~5%を占める。持続性の高血圧で拡張期血圧が高く、若年発症が多い。中年以降では、それまでの高血圧が急速に進行した場合が多い。腹部や腰背部の外傷後に発症した場合も、腎血管性高血圧が疑われる。

約50%の症例で腹部に血管雑音を聴取し、大動脈炎症候群によるものでは頸部、前胸部、背部での血管雑音や血圧の左右差、上下肢の差を認めることが多い。腎動脈狭窄の大部分は、粥状硬化、線維筋性異形成、大動脈炎症候群、解離性大動脈瘤による。

血漿レニン活性は正常の場合もあるが高値を示すことが多く、レニン分泌刺激に過大反応を示す。ACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬によって、著明な降圧効果をみる。二次性アルドステロン症により、血清K濃度の低下を示すことが多い。静脈性腎盂造影では、狭窄側腎の造影剤排泄遅延、腎陰影の左右差(狭窄側で小)、腎盂・尿管の変形(notching像)、造影後期像での狭窄側腎の濃縮を認める。ヘリカルCTやMRIでは、三次元画像により腎動脈狭窄の描出が可能である。その他、レノグラム、腎シンチグラフィ、超音波ドプラも有用である。確定診断には腹部大動脈造影、選択的腎動脈造影が必要で、腎動脈狭窄の有無、程度を評価する。狭窄前後での圧勾配の確認も必要である。

治療は、可能なかぎり経皮的腎動脈拡張術を試みる。線維筋性異形成によるものでは血圧が正常化しやすく予後もよいが、粥状硬化症、大動脈炎症候群では再発しやすい。経皮的腎動脈拡張術のできない場合は手術による血行再建術を行う。これらの治療ができない場合は、降圧薬で血圧を管理する。

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