拡張型心筋症〈dilated cardiomyopathy;DCM〉

左室または両心室の拡張と心筋収縮不全を特徴とする。原因不明のものが多く、組織学的には心筋の変性・脱落・線維化が認められる。WHO/ISFCによる心筋症分類(1995年)ではウイルス性心筋炎やアルコール性、遺伝性などによるDCMも含まれている。

症状は呼吸困難、易疲労感、咳、浮腫、動悸などであり、5年生存率は約50%である。聴診上ではⅢ音、Ⅳ音および収縮期雑音(房室弁閉鎖不全雑音を含む)を、胸部X線像上では心陰影の拡大を認める。心電図ではST-T異常、心尖部肥大型では左室側高電位差と巨大陰性T波、異常Q波、QRS幅延長、心室性不整脈などがみられる。心エコー図では左室拡張末期径拡大、駆出率の低下、左室壁菲薄化を認める。さらに心臓核医学検査にて心内腔拡大、201Tl集積低下を、心臓カテーテル検査では左室拡張末期圧上昇、心拍出量低下が認められる。治療はACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬、Ca拮抗薬、利尿薬、抗不整脈薬、抗凝固療法、β遮断薬(心筋酸素消費量低下作用、血管収縮抑制作用など)。重症例ではメトプロロール2.5mg/日より開始し、1~2週間ごとに徐々に増量し、維持量(40~60mg/日)まで増量する。

その他、前記の治療によっても心不全の改善を認めない(NYHA分類Ⅳ度)例には補助心臓、心臓移植なども必要となってくる。心臓移植の適応条件は、①不治の末期的状態にある、②60歳未満、③本人および家族の心臓移植に対する十分な理解と協力が得られること、である。5年生存率は約50%である。

拡張型心筋症

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