循環器用語ハンドブック
カテコラミン〈catecholamine;CA〉
カテコラミンはカテコール核と側鎖にアミノ基をもつ物質の総称で、交感神経α、βおよびドパミン受容体を刺激する。生体内にはアドレナリン、ノルアドレナリン、ドパミンが存在し、ホルモン・神経伝達物質として機能しているが、外部から投与する薬剤としても重要であり、心筋のβ1受容体刺激によりサイクリックAMP(cAMP)濃度を増加させて強心作用を発揮する。血管に対してはβ2受容体刺激は血管拡張を、α受容体刺激は血管収縮をもたらし、ドパミン受容体刺激は腎臓などの腹部臓器の血管を拡張させる。ノルエピネフリン(ノルアドレナリン®)とエピネフリン(ボスミン®)はα作用が強く、末梢血管収縮作用により強い昇圧作用を有するため、主に心原性ショックや心停止時に使用される。イソプロテレノール(プロタノール®)は心拍数増加作用が強いため、アトロピンに反応しない高度の徐脈に対して一時的に使用されることが多い。
ドパミン(イノバン®など)はノルエピネフリンの前駆体であり、0.5~3μg/kg/minでは腎血管拡張作用により尿量が増加し、2~5μg/kg/minでは心収縮力が増加し、5μg/kg/min以上では心拍数増加や末梢血管抵抗の増加が著明となる。そのため、乏尿のある低心拍出性の急性心不全では低用量で使用し、昇圧を期待する場合には高用量を投与し、血管拡張作用のあるニトログリセリンやドブタミンと併用されることも多い。
ドブタミン(ドブトレックス®など)は合成カテコラミンであり、用量依存性に心収縮力を増加させるがβ2作用により末梢血管を拡張させるため、ドパミンに比し昇圧効果は低い。そのため、肺うっ血を伴う低心拍出性の急性心不全が良い適応である。いずれの薬剤も血圧、心電図およびSwan-Ganzカテーテルによる血行動態モニタリング下に、中心静脈内の専用ルートより投与することが望ましい。副作用として、動悸、めまい、顔面紅潮などの自覚症状、心房細動、心室不整脈などを認めることがあり注意を要する。

