循環器用語ハンドブック
肺動脈絞扼術〈pulmonary artery banding〉
肺動脈に狭窄をつくり、肺血流量を減少させることによって、肺高血圧の進行を防ぐことを目的とした手術。1952年Mullerによって発表され、1960年代までは乳幼児の心室中隔欠損症重症例には第1選択の手術であった。現在でも、肺高血圧がありその時点で心内の奇形を完全に修復することが困難か、体力が十分でないという理由などから、根治手術が無理であると考えられた症例に対して行われる。
左第4肋間で開胸し、心膜を切開して、肺動脈を露出したのち、肺動脈にテープをまわし狭窄をつくる。狭窄の程度は、肺動脈の直径の約3分の1までが適当といわれている。この方法は、根治手術を行う前の非チアノーゼ性心疾患、動脈管開存症(PDA)、心房中隔欠損症(ASD)、心室中隔欠損症(VSD)、心内膜床欠損症(ECD)に対して行われるほか、チアノーゼ性心疾患の中で大血管転位症や肺静脈還流異常症にも行われることがある。

