循環器用語ハンドブック
Ca2+ sensitizer〈Ca2+ 感受性増強薬〉
Ca2+ sensitizerは心筋収縮蛋白のCa2+ 感受性を増強することにより強心作用を発揮する薬剤である。現在、発売されているのはピモベンダンの経口薬のみである。本薬剤はCa2+ 感受性増強作用とともにPDE(ホスホジエステラーゼ)Ⅲ阻害作用をもつ。そのため、PDEⅢ阻害薬に比しより低い細胞内サイクリックAMP(cAMP)濃度で強心作用を発揮するとともに、血管拡張作用も併せ持つ。
適応は従来の心不全治療薬に抵抗性の軽症から中等症の慢性心不全、急性心不全における静注用強心薬からの離脱時、β遮断薬導入時の使用、QOL改善である。わが国で行われたNYHA機能分類ⅡmまたはⅢの心不全患者を対象としたEPOCH試験において、Specific Activity Scaleで評価した身体活動能力は改善したが、現在のところ長期の予後改善効果は証明されていない。主な副作用はPDEⅢ阻害薬と同様で催不整脈作用である。

