循環器用語ハンドブック
FFR〈fractional flow reserve,冠血流予備量比〉/iFR〈instantaneous wave-free ratio,瞬時血流予備量比〉/CFR〈coronary flow reserve,冠血流予備能〉
冠内圧に基づく冠動脈狭窄の機能的重症度指標にFFRとiFRがある。いずれも圧センサー付きのガイドワイヤーを冠動脈狭窄の遠位部まで進めることで狭窄の遠位部平均圧と大動脈平均圧の比として算出される。
FFRは血管拡張薬(アデノシン三リン酸・パパベリン塩酸塩・ニコランジル)を用いて心筋最大充血時(末梢血管抵抗が一定になる状況)に測定するのに対して、iFRは安静時に測定する。安静時には拡張期の後半にwave-free periodと呼ばれる自然に末梢血管抵抗が一定かつ小さくなる時相があり、その部分の冠内圧を抽出することでiFRを算出する。
FFRは最も診断能が高い虚血診断法として確立しており、FFRが0.80以上であれば虚血は誘発されないことが実証されている。またiFRの診断能はFFRと同等であることが示されている。FFR、iFRに基づいて冠血行再建を行った場合に臨床成績が改善することが複数の無作為化比較試験で示されていることから、「慢性冠動脈疾患診断ガイドライン(2018年改訂版)」ではFFR、iFRの使用をclassⅠAで推奨している。
CFRは安静時の冠血流に対して心筋最大充血時に何倍冠血流が増加するかを表す指標である。以下の計算式[CFR=心筋最大充血時の冠血流速度/安静時の冠血流速度]で求めることができる。CFR低下させる原因は冠動脈狭窄のみではない。冠微小循環障害や左室拡張末期圧の上昇により心筋最大充血時の血流が低下するためCFRは低下する。また、貧血、心拍数上昇など心筋酸素需要量が亢進した状態では安静時血流が上昇するためCFRは低下する。

