循環器用語ハンドブック

VO2〈oxygen up take、酸素摂取量〉

酸素摂取量は単位時間に体内に取り込まれる酸素の量で、心拍出量と動静脈酸素分圧格差の積で表される(Fickの式)。運動時の酸素摂取量と嫌気性代謝閾値(anearobic threthold;AT)は、心予備能を明らかにする客観的、安全かつ再現性のある非侵襲的な方法であることが示されている。特に最大運動負荷時に測定される最大酸素摂取量(VO2max)は、心不全患者の活動能力と心血管予備能を知ることができ、心不全患者の短期予後予測因子であるとされている。一般には心不全患者にてVO2maxを得ることは困難なため、負荷終了時のVO2である最大酸素摂取量(peak VO2)が用いられている。また左室駆出率が低下した冠動脈疾患患者を対象にした報告では、VO2maxから長期予後に関する情報の得られることが示唆されている。

VO2maxを心移植待機中の外来患者の評価に用いて、その結果から患者を3群に層別できることが最近報告された。すなわち、VO2maxが14mL/kg/min以上の患者では1年生存率が94%であるが、14mL/kg/min以下の患者ではこれより低い値を示し、それを心移植の適応でさらに2群に分けると、心移植の適応と判断された患者では70%、適応とならなかった患者では47%であったという。これら3群のNYHA分類、左室駆出率、心係数はほぼ同じであった。運動耐容能を保持している低リスク患者(VO2maxが14mL/kg/min以上)の生存率は、安静時に高度の血行障害があっても心移植によって得られる生存率と遜色ない。したがって、運動耐容能が保持されている患者については、運動耐容能が悪化するまでは内科療法で様子観察できる猶予があると考えられる。

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