循環器用語ハンドブック
心室造影〈ventriculography〉
心室造影という場合、多くは左心室造影(left ventriculography;LVG)を指す。 通常、大動脈から逆行性にカテーテルを左心室内まで進め、造影剤を7~15mL/secで総量30~50mL注入し、シネフィルムを毎秒30~60コマで記録する。 これにより、左心腔の輪郭を経時的に観察することができ、左室の容積とその変化を計算により求めることができる。 また、複数方向から同時に撮影することで局所壁運動の評価がより詳しく観察される。圧波形と合わせて圧-容積曲線を作成すれば、心筋収縮能、拡張能が評価できる。 また弁膜症では左室からの造影剤の逆流や停滞から、その重症度を評価できる。大動脈からのカテーテルの到達が困難な場合は、カテーテルの先端を肺動脈に置きそこから造影剤を注入する場合もある。 また、右心系より経心房中隔的に到達し(参考:Brockenbrough法)左房より注入する方法もある。 撮影方向は、RAO(right anterior oblique)30°とLAO(left anterior oblique)60°で同時に行うことが多い(図)。 カテーテルの先端が心室壁を刺激すると心室性の期外収縮を誘発し、心機能測定が不可能となるが、多くは位置の調節で回避できる。 冠動脈撮影に比し造影剤の量が多いため、投与中被検者は全身に熱い刺激を感じる。


