循環器用語ハンドブック
過剰心音(Ⅲ、Ⅳ音)〈gallop rhythm〉
Ⅲ音は拡張早期、心室の急速充満期に発生し、心尖部、特に左側臥位で聴きやすい。急速充満期に心房から心室へ流入した血流が心室壁で急に阻止された結果発生するが、阻止の程度が急であるほど音は強くなる。心室拡張期のコンプライアンスの減少で発生しやすい。僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁閉鎖不全症、心室中隔欠損症、心筋梗塞、虚血性心疾患、心筋症、心筋炎などで聴取され、心不全の徴候として重要である。Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ音が引き続いて聴取できると、馬の早駆けの音に似るので奔馬調(gallop rhythm)という。
Ⅳ音は、心房収縮により心室へ駆出された血流が心室壁で急激に阻止された音であり心尖部、左側臥位で聴きやすい。病的心臓における診断的価値はⅢ音より大きい。心室拡張末期圧上昇時に聴取されやすく、肺高血圧症、大動脈弁狭窄症、虚血性心疾患、心筋炎、心筋症で聴取できる。

